NEO新城工場完成したオーエスジー。600人が働く生産性とアウトプットを最大化するための次世代基幹工場
新城工場シンボル「地球を吊る」
- オーエスジーのNEO新城工場が完成した。
- 生産性とアウトプットを最大化するための次世代の基幹工場として建設され、国内のマザー工場の大幅なリニューアルとしては実に30年ぶり。新プロジェクトとして構想された、小ロット、大ロットに関わらず、Q(品質)、C(コスト)、D(納期)を満足させられる生産体制の実現を目標とする「OSG4・0」が導入されている。
- 生産品目は超硬ドリル、超硬タップ、ハイスドリル、ハイスエンドミルで、月当たり5400種類、7700ロットの工具を生産することになる。およそ600人が働き、生産能力と言う点で見れば月当たり6000種類、8000ロット、70万本と言う壮大なスケールだ。デジタル化の徹底で「見える化」を図り、設備稼働率を上げるために、砥石、治工具、プログラムを一括管理する「外段取り」などを実施している。
- 広報担当者は「超硬ドリルと超硬タップは1ロット当たり20本以下がほとんど。200本となると、相当な数になる。この規模での多品種少量生産は、世界でも恐らくNEO新城工場だけだろうと推測する」と語る。
- また、NEO新城工場の新棟には超硬ドリルと超硬タップの製造を集約している、この点が重要で「(性格の異なる工具種であっても)作り方をできるだけ統一し、作業者の多能工化を推し進めることにした。需要変動にも対応した人員配置が可能になってくるからだ」。
- デジタル化と言う点も見逃せない大きなポイントで①生産情報②品質情報③設備保全情報‐の各観点から実践的に取り組まれている。
- ①は加工の見える化で、加工機ごとの稼働率、生産スケジュール、生産状況などの情報を共有し、収集したデータを分析する。
- ②は、加工された製品の引き当て材料、加工履歴とともに測定値を品質情報としてサーバーで一元管理する。
- ③は各工程での高品質、高能率生産を維持するための設備の保全情報のデジタル化を行う。
- 直接の生産現場を離れ、視点を変えて働きやすい環境と言う点に触れていこう。
- まず、オフィスではフリーアドレス制が採用され、生産管理、製造技術などの部署や役職に囚われることなく、フラットな職場環境を整えた。社員食堂は自然採光を取り入れ、明るく、ランチは27種類という豊富なメニューから選べると言う。ミーティングルームとしても自由に使用できる。会議室もユニークで「USA」「MEXICO」「CHINA」など、オーエスジーの世界各地の生産拠点の国名を会議室に使用している。
- 新棟の前には、NEO新城工場のシンボルとなる鎖のモニュメント「地球を吊る」が設置された。彫刻家・三澤憲司氏作であり、高さ8・5m、重さ4トンのステンレス製の鎖で「宇宙に向かって地球から伸びた鎖が地球を吊っているイメージ」を表現している。
ゆったりと動線が確保されている工場内