新製品発表会、大澤財団、日新ダイヤ価格改訂など、OSGグループからの話題満載
ワークショップには多くの人が詰めかけた
JIMTOF開催期間中、オーエスジーのテクニカルワークショップでは、転造タップ「GREEN TAP」と樹脂加工向け超硬エンドミル「SEP‐EL」という新製品の特長について、それぞれの開発者である溝口、野田両氏から概説がなされた。
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GREEN TAPを手がけた溝口氏は「価格は従来製品と同等で、環境に優しく、性能が良い」をコンセプトに製品化したと言う。
高い耐摩耗性を誇るVコーティングを施し、独自のねじれ形状で振動を減衰させていく。
「ねじ形状に丸みを持たせたのは、欠けや摩耗に強く、安定した加工に導くため。一般的に丸い形状は安定しているが、タップにも当てはまる」。
剛性面では心厚を大きく取り、耐欠損性を向上させ、高い耐久性を追求。「従来品に比べ剛性24%アップを実現した」。
ねじ部形状は、コンピュータの塑性変形解析を用いて設計した特殊なねじ山仕様を採用。「安定しためねじの加工が行える」。
GREEN TAPは、製造プロセスで35%に及ぶCO2排出量削減に貢献する「低炭素型製品」としても注目されている。
一方、SEP‐ELは、増えつつある樹脂加工に照準を合わせ、開発された超硬エンドミルだ。
野田氏は「むしれやバリの発生ばかりか、加工面の曇りや工具の摩耗も進行しやすく、樹脂を上手く加工するのは容易ではない」と加工の難しさを指摘しつつ「SEP‐ELは、スーパーエンプラと呼ばれる高機能樹脂をターゲットに設定。最も意識したのが、樹脂の微細な形状、厳しい要求精度への対応だった」と振り返る。
刃先の摩耗を抑制し、耐溶着性に優れる厚膜タイプのDLCコーティングを採用。スーパーエンプラなど幅広い樹脂加工で高い耐久性と良好な加工精度の両立の点でも評価が高いそうだ。
「高能率加工を意識して3枚刃仕様(外径0.5mmは2枚刃)とし、刃先はピンカドタイプを採用し、優れた切削性に配慮。溝形状は弱ねじれでバリの発生を抑制し、厳しい加工寸法精度には、全サイズ刃径公差0・015ミリという高精度で対応している」。
溝口さん
野田さん
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公益財団法人大澤科学技術振興財団
大澤科学技術振興財団の第34回助成贈呈式が11月12日、オーエスジーアカデミー内のゲストハウスで執り行われた。研究開発助成33件、国際交流助成に5件がそれぞれ採択され、助成金の総額は8423万円となった。
冒頭、大澤伸朗理事長は「平成3年からのスタート以来、助成累計は11憶5800万円上る。このほどJIMTOFが開催されたが、五感を揺さぶるリアルな訴求の重要性を改めて感じた。技術革新、基礎研究の発展に引き続き努力していきたい」と挨拶。贈呈に臨んだ。
助成贈呈式の様子
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日新ダイヤモンド価格改訂
日新ダイヤモンドは2025年1月1日受注分から価格改定を実施。改定率は全製品11%となる。
生産性向上、コスト削減、業務の合理化と、できる限りの方策を講じたが現状価格では、製品品質の安定供給とサービスの維持・向上は困難と判断したようだ。
因みに、日新ダイヤモンドは12月1日からオーエスジーダイヤモンドツールに社名変更される。
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日新ダイヤモンド社名変更
日新ダイヤモンドは、12月1日付でオーエスジーダイヤモンドツ―ルに社名変更することになった。7月のオーエスジーによるオランダ・コンツール社のグループ化、10月の日新ダイヤモンドによる神奈川県のマイクロ・ダイヤモンド社の事業承継に伴うもので、従来の3社がそれぞれ合流し、補完しつつ、ダイヤモンドの総合工具メーカーとして、新たなスタートを切ることになる。