Pシリーズの新製品PWMをリリース。国内メーカーの海外シフトへの対応強化も、今後、要注目。
「JIMTOFでは、Pシリーズの新たなラインナップとして『PWM』をリリースする」と、担当者から新製品情報が飛び出した。
PWMは、温熱間領域でのプレス加工等において金型寿命の向上を実現させた温熱間用途を狙った超硬合金である。
摩擦係数については、同社製品WM7と比較してPWM10Nは低摩擦化が図られている。また、寿命も従来の超硬合金と比較して2倍以上に向上している。「実機でのテストも行っており、複数のユーザーから好評を得ている」そうだ。
Pシリーズとは、従来の特性を損なうことなく摩擦係数の低減を実現した超硬合金。銅合金やアルミニウム合金、ステンレスに対して、優れた耐焼き付き性や耐摩耗性を有する材種となる。
また、「今回のJIMTOFでは、新製品はもとより、注力しているRシリーズも浸透させていきたい。Rシリーズはラインナップを増やしてきており、深耕とともに新規開拓を図り、PWMとともにJIMTOF終了後は各製品のさらなる拡販を進めていく」と、担当者は語る。
RシリーズのRF、RX材種は、二律背反の関係にある硬度と破壊靭性の両方の特性が向上し、耐摩耗性と高靭性を併せ持つ。それにより、過酷な条件下での加工にも大きな効果を発揮。また従来からのRシリーズの特徴である耐食性も有しており、放電加工時や研磨加工後の腐食の防止にも大きな効果を発揮する。
さて、下期の予測を伺ったところ「業界自体がよくない中でも、前年同期と同水準となるだろう」という答えが返ってきた。理由は、「海外での落ち込みがなく、少量多品種への対応が海外でマッチしている」という。
近年、国内で主流となっているニアネットシェイプが海外でも求められるようになり、これに対応するための体制をアジア全般で再構築している。
少量多品種の成形に対応するとなると、技術的な問い合わせや細かな要望に対応できる体制が不可欠となり、かつ短納期への対応は特に欠かせない。アジア全般で直販体制を構築することにより、以上の課題に対応する。
今後、大統領選の結果がもたらす円への影響を注視し、国内メーカーの海外へのシフトに対応できる準備も進めているそうだ。