サンドビックのアカウントマネージャー、アプリケーションスペシャリスト制奏功。昨年8月辺りから売り上げ2桁増に
山本社長
サンドビックの山本社長を訪問し、コロマントを取り巻く市況環境はじめ、この間の事業推移、重点活動や販売注力製品ほか、2023年の展望など、相互に関わり合う、広範囲にわたるインタビューを行った。
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2022年は、8月辺りから、売り上げが2桁増の急激な伸びを刻んできたと言う。
「航空機分野の需要以外は、日本含めてワールドワイドで見た全産業が(コロナ禍からの)復活を遂げており、我々がターゲットとする重要顧客も活発化し始めた。シェア拡大の要として発足させて2年目に入るアカウントマネージャー、アプリケーションスペシャリスト制も、業績アップに貢献し、奏功してきた要因に挙げられようか」。
昨年のトピックスとして、まだ、記憶に新しいが、サンドビック本社とコロマント本部が名古屋に統合された。ビッグニュースに違いない。
「ビジネスとしての名古屋エリアは極めて重要との認識がある。自動車、航空機、工作機械・・・我々にとって比重の大きい一般産業ばかりか、ものづくりのコアとなる産業も身近にある。オフィス改革と働き方改革の両輪がうまく噛み合い、機能していくよう運営できればと思っている」。
2023年のビジネスの成長モデルをどのように描いていくのか。
「製品的になぞれば、自動車産業を中心としたアルミ合金加工用M5シリーズやソリッド工具の拡販に注力し、この分野でのマーケットシェアを拡大していくほか、個別にはなるが、引き合いが増えてきたセンサーを内蔵した防振工具、Silent Tools™プラスの更なる市場浸透を図っていく」「デジタルトランスフォーメーションプロジェクトを発足した。工具だけでなくCAMなども踏まえた加工現場へのトータルな提案を推進していくもので、たとえばグループ内のCGTechとのシミュレーションソフトを含めたコラボレーションの展開も追求していく考えだ」。
サンドビックは、パブリックな展示会への出展について、差し控える傾向にある。
「世界15カ所にあるコロマントセンターを活用し、顧客別にフォーカスして、フォローしていくことに力を割いていく方針。コロナ禍の影響で十分に機能できていなかったが、今年、2023年からは、顧客への訴求の場として幅広く運営していきたい」。
市場浸透で注力していく3製品を挙げてもらった。
「アルミ合金専用のM5シリーズフライスカッタ―、ソリッドエンドミルのCoroMill Dura®、そして特殊な刃先の動きを要する工具向け専用パス作成ソフトのCoroPlus®ツールパスの、以上3点。デジタルソリューションも視野に入れた選択だ」
昨年は、自動車業界向けのアルミ合金用工具メーカー「Preziss」や時計や医療機器向けのスモールツールを展開する「Sphinx tools」を買収。工具のラインンナップに一段と深みが加わった。