ジヤトコツールが納期管理への意識強化継続。超硬エンドミル製造にワルター製ビジョン導入
製造向けに導入されたワルター製ビジョン400L
- 活発な設備投資を展開するジヤトコツールを訪問し、吉川豊社長に、創業から22年目に入り社会から何が認められ、今後、どのような道筋を辿っていくのか。その「絵図」とともに、受注の現状を紐解いてもらいつつ、設備投資の内容とその目的等についても言及してもらった。
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- 大半の読者は承知していることだろうが、ミッションメーカーのジヤトコ「工具研磨課」が独立、発展して今のジヤトコツールがある。
- 「創業当初は、ジヤトコで使用されている安心感があり、20年以上を経た今では、数多くの経験に裏打ちされたサービスを享受できる安心感があると思う。信用のベースという視点では、最新のものづくりに対する自信、量産の生産品質に追従したものづくりへの認識などが、評価され、受け入れられてきたものと考えている」。
- あるアンケートによると、顧客からの評価として「価格」「品質」については「申し分がない」との評価が下されている。
- 「前期で納期管理への意識強化を図ったのも、改善の『余地』を残していた分野だったからだが、相前後して、1年以上前からの営業強化が花開き、半端ではない受注量への対処として、実務面からも納期100%遵守という課題を突き付けられた経緯がある」。
- 直近、3月単月の受注量は、月間平均の1・5倍。ドリルの再研を筆頭に、エンドミル、ドレスギアも高水準で推移しているそうだ。
- 「3直24時間体制を採って対応しているが、設備面での強化は避けられず、6月には宇都宮製TGR200を据えつける。京都の八木工場でも同機を導入する考えだ」と言う。
- また、製造比率を3割へというジヤトコツールが掲げる目標達成に向けた準備が整ったことも、今年度のニュースとして紹介できようか。 ワルター製ビジョン400Lを設備 吉川豊社長は「超硬エンドミルの製造を意識して、ワルター製ビジョン400Lを導入した。現在、立ち上げ中だが、砥石チェンジャーを備え、荒取り専用の砥石が付いており、別途、仕上げ用砥石を活用できる」と語る。 新作工具に刻印する記号商標を社内で募集 新作工具に印字する記号商標を社内で募ったそうで、現時点で4作品が選ばれている。興味をそそられ、お披露目される日が待ち遠しい。製造工具が伸長すれば、再研の仕事として戻ってくるメリットに加え、印字された自社の商標を見つめつつ、仕事に打ち込むという、モチベーションにも関わる「順回転」も期待できようか。 競合他社との連携ほか、新作工具メーカーとも 「将来を展望した時、ジヤトコツールブランドの確立を目指す必要があり、そのプロセスの中で、再研のコンサルティング事業の展開も念頭に置いた、長期ビジョンを打ち立てていきたい。競合他社との連携ばかりか、新作工具メーカーとも、手を携えつつ、模索していくべき道も見え隠れする」。
工具向けに特化された三菱電機製放電加工機「ツール・プロ」
中村留の旋盤も
米国・トランザー製濾過機も導入した