「自動化設備投資で夜勤廃止の可能性を展望できる」(吉川ジヤトコツール社長)。来期はロロマティック社製XW導入検討へ

ジヤトコ ツール株式会社

ジヤトコ ツール株式会社

吉川社長

 

  • 残業や夜勤を廃止していくとともに、契約社員、パート社員、正社員といった雇用形態を見直し、全員、正社員化していく‐とのビジョンをジヤトコツールの吉川豊社長は抱いている。
  •  「試算だが、10億円程度の自動化設備投資によって、夜勤廃止の可能性が出てくると考える。要は、8時間内でいかに効率を上げていくか。2025年までには達成していきたい課題に設定した」。
  •  人手不足のなか、雇用確保には、夜勤や残業は「壁」になるとの認識がベースにある。
  •  また、2交代制のデメリットは、海外人材の育成にも関係してくる。管理者は昼間時間帯しかいないからだそうだ。
  •  「およそ3年間、2億円ベースで投資を継続してきた。売り上げでは、6~7%の伸び率だが、新規案件が増えてきている。結果、外販比率は60%強となり、直近では、大手自動車に関連する仕事をこなしている客層からの需要が高い」と、この間の状況を特徴づける。
  •  「当社は22年間存続しているが、これも顧客に対し『安心、安定』を提供でき得たからだと思う。量産への信頼、品質に対する顧客への安心感は、当初は親会社のジヤトコの影響が大きかったと思うが、今では、当社独自の技術、その上に立って、改めて信頼を勝ち得ていく段階に到達していると思う」。
  •  とりわけ吉川社長は、確かな技能を持ったスタッフに新技術を体得していく必要性を唱える。
  •  「今期は金型系のユーザーが多くなり、エンドミル製作のニーズが増加。対応として、ワルター製ヘリトロニック ビジョン400Lを導入し、超短納期を実現させながら、着実に売り上げ数字に繋げることができたことが大きな特徴と言えるだろうか」。
  •  受注に繋げるうえでも、短納期対応の確立は必須との認識を持つ。
  •  製作モノが増えれば、当然ながら、再研磨としてリピートが発生してくる。超短納期対応は、社内の効率の点ばかりか、受注拡大に直結してくる。今期は特に痛感したと言う。
  •  「2018年度はロロマティック社製XWの導入を視野に入れた」との設備計画もすでにある。
  •  「投資と人材確保を優先していくことが何よりも大切」と吉川社長は説く。再研磨は内製化と外注化の2つの流れがあるが「外注比率が高まり、再研市場は、今後、拡大していくと予想。そのための頼りになる受け皿として、来期も充実に努めていきたい」。