どんな工具も一番になることが大切。靏久社長セコ・ツールズ、ジャパン社長インタビュー

セコ・ツールズ・ジャパン株式会社

セコ・ツールズ・ジャパン株式会社

靏久社長

  •  緊急事態宣言が出され、具体的な訪問が困難な状況下にあったが、幸いにもセコ・ツールズ・ジャパンの靏久社長を訪問する機会を得た。

 

 

  •  「どのような工具であれ、一番に(顧客から)愛されないとダメという信念を抱いている。2位以下とは決定的な違いがあるとスタッフにも伝えている」。
  •  靏久社長の考えはシンプルかつ明確だ。
  •  「航空機分野で実績を積み重ねてきているヘリカルカッタは、チタンやインコネルといった難削材に対し、安定的な生産(特に翼で)が顧客から求められるなか、工具性能の、まさに安定性で何よりも高い評価を受けている」。
  •  靏久社長は、航空機分野は(他社に)譲れない、としながら、被削材では、CFRPやアルミを対象とした、新たな工具開発も進展していると付け加える。
  •  「コロナウイルスの感染拡大に伴い、エンドユーザー訪問は、3月までは100%だったが、現在(4月半ば)は70%程度。足を運ぶ頻度は減っているものの、(顧客の)仕事量はゼロではない。また、訪問不可や一時帰休が増え始めるなか、接触を回避する、デジタルエデュケーションの提供と合わせ、ライブと動画を駆使しながら、当社のノウハウの提供に努めている」そうだ。
  •  自粛要請によって、デジタル化を促している側面は無視できないだろう。
  •  「2020年の当グループのアジアのキックオフで、100人弱の幹部がデジタル会議で一堂に会した。4日間、毎日4時間、各国の事情、概略のプレゼンを行い、情報の共有に努めたが、コロナウイルスへの対応以前から、当グループは、デジタル化の深耕を図ってきている。この点では、ソフトの使い方にも慣れてきており、顧客にアプローチする準備は既にできている。ただ、講習会等、当社からの一方向の提供は可能と思われるが、顧客を交えた双方向となると、雑音の問題や、どこで行うかといった点も議論になるかと思う」と語る。

 

  •  では、1月~3月という直近の業績はどうか。
  •  「前年同期比で1割減だ。中国の影響が大きく、自動車や携帯電話関連の落ち込みが響いた。が、子細に見ると航空機分野は伸びており、特にB787に関連して日本に集約されたことが寄与している。エリア別では中日本・西日本は忙しく、他の産業では重工関連は現時点では堅調」と言う。
  •  コロナウイルスの影響は全世界を巻き込んでおり、単純な予想は不可能だが「一番になれる工具」が今後、どれだけ積み上げられていくか。注視していきたいのは、やはりこの点になる。