クラックの発生抑制でスーパーG1チャックの効果抜群
「顧客からの信頼をさらに高める結果に」(セラテックジャパン=長野市)

セラテックジャパン株式会社

セラテックジャパン株式会社

インタビューに応じて頂いた西野入常務

1972年の切断部門の開設以来、電子、光学材料などの切断、研磨、研削(切削含む)などの精密加工に特化し、受託する事業(Material Processing Service=MPS)を展開しているセラテックジャパンを訪問した。
 MPS部門を統括する西野入常務は「日本は高機能材料の作り込みを得意とするなか、弊社は、セラミックやガラスなどの脆性材、半導体素材のシリコン、SiCなどの機能結晶物を対象に、切断を皮切りに50年以上にわたる加工サービスを展開してきた。差別化のポイントとして、加工レパートリーの多様さと生産能力だけではなく、図面を頂いた際、加工する側から見た『逆提案』にも、配慮している」と語る。
 現状のサービス内容を分類すれば、電子部品、光学部品のほか「機械構造部品加工という、穴あけ、ザグリ、異形加工など、加工レパートリーに形状加工を加え、高精度精密一貫加工サービスの提供に努めている」。
 ユキワ精工との出会いは、昨年10月に長野県の工業技術センターが主催する「長野県精密加工技術研究会」の一員として参加した、新潟県下を巡る企業見学会だった。
 「マシニングセンタへの投資を進めていた時期でもあり、弊社としては、ツーリングに関する情報収集の一環として訪問した。到着後、酒巻社長自らが工場案内とツーリングの比較デモ加工を実演。(他社のツーリング)との比較では、音も静かで、加工品質も優れていることが印象に残った」そうで、硬脆材料でできた電子部品の外形加工で「クラックの発生が多い」として、顧客から改善要求が出されたとき「ツーリングの振れが影響しているのでは?」と咄嗟に思い「品質の改善にはこれしかない」と今年2月にスーパーG1チャックを導入した。
 「電着砥石による荒加工と仕上げの2工程から成るが、仕上げ砥石に従来のツーリングに変えてスーパーG1チャックを装着したところ、狙い通り、クラックの発生が大幅に軽減し、即、改善要求レベルに応えることができ、お客様からの信頼をさらに高めることに繋がった」と言う。
 適用されたマシニングセンタは、ヤマザキマザック・40番主軸の「VCN-460」。
 「3台設備しているが、相応の仕事量を請けている、受託事業のメインのひとつ。仕上げでクラック発生を抑え込んだことで、次なるターゲットを荒加工に照準を合わせた。スーパーG1チャックの活用で電着砥石の寿命を伸ばせないかという問題意識。精度と合わせ、経費節約の追求でもある」。


電子部品の外形を整えていく加工等でヤマザキマザックVCN‐460 3台が活躍


オペレータの中條さん。スーパーG1チャックの活用でクラック発生が大幅に抑制されたと言う


仕上げ砥石にスーパーG1チャックを組み合わせた