特殊工具製作でANCA製FX・5導入時に、定評ある濾過機として米国製トランザー導入した小島工具研削所 「面粗度アップ」にも寄与

トランザーフィルター株式会社

トランザーフィルター株式会社

取材に応じてくれた小島光則氏

  •  1980年代半ば、自動車整備業から切削工具の再研磨業へと転身を図り小島工具研削所が誕生したようだ。
  •  インタビューに対応してもらった小島光則氏は「私の父親が一台の機械を片手に創業、のちに叔父が加わり2人で乗り越えて来た。私自身も異業種から工具の再研磨の道へ足を踏み入れ2000年入社。それまでは、半導体関連の仕事を手がけていた。25歳の時だった」と振り返る。

 

  • 従業員1人当たり月産1000本
  •  顧客は地元茨城県や関東圏が主流となっている。顧客数では商社ベースも含め約30社だそうだ。
  •  「工具種の割合は特殊工具製作6割、再研磨・追加工4割の比率で、月産本数では従業員一人当たりおよそ1000本を数える」。
  •  再研磨でスタートしたが、10年前辺りから特殊工具づくりで評価が広がり、次第に増加。実績としての社内シェアでは、すでに再研磨よりも多くなってきている。
  •  「特殊工具は、基本的に1本単位。将来の自動化を見据え、精度面や効率面を考慮し、昨年12月、設備面の増強として、ANCA製FX-5を導入した。その際、同時に導入した濾過機がトランザーフィルター。今後、従来からのNC機であるワルター製ヘリトロニックパワーにも適用したい。」と言う。 特殊工具製作用材料は被削材に合わせ、国内に限らず相性をマッチングさせながら、あらゆるメーカーを選定、使用している。 さて、濾過機についてだが、ワルターでは、ロールフィルターを使用しているが、超硬粉が十分に取り切れていないそうで「濾過機の導入に当たっては、類似の多種メーカーと比較検討した。結果、信頼性とアフターフォローを考慮してトランザーフィルターを選択した。」と言う。
  •  FX・5は、現状慣らし運転期間であり、刃物形状をサブミクロン以内に、といったトライアルを連続させながら、稼働からおよそ半年が経過した。
  •  「まだ、特殊工具対応のテスト段階とは言え、1日、8時間~10時間程度は動かしてきている。トランザーフィルターのおかげで研削液は常にきれいに保たれており、FX・5のリニアとのシナジーで、工具の面粗度アップにも貢献していることを実感。測定データにも顕著に表れており、今後、顧客への更なる受注獲得への説得材料として活かしていきたいと考えている」。
  •  小島氏は、精度には今後も今以上に自信をもって取り組んでいける、そのきっかけともなったと付け加える。
  •  「100本受注すれば、すべて安定品質で納入する。納入先で評判を呼ぶことが基本と捉えている」。
  •  とは言え、攻めの姿勢は大切。来期からは積極的に営業活動を展開していく計画だと言う。体制的にも注目していきたい。

 

導入したトランザーフィルターの「V1」

導入したトランザーフィルターの「V1」

 

特殊工具づくりで導入されたANCA製FX-5

特殊工具づくりで導入されたANCA製FX-5