研磨、放電、レーザーのフルラインサプライヤーとしての体制強化へ
期待したいフォルマージャパンの日本の工具市場への貢献
モーサー社長
研磨、放電、レーザーと、フルラインサプライヤーとして、日本の工具づくりのサポート体制を強化しているフォルマージャパン。2年前に新設された埼玉・上尾の本社にはショールームが併設され、小径工具向けの「VHybrid260」、中径~太径の超硬工具をターゲットとする「VGrind360s」などを常設。テスト加工依頼にも即、対応できる体制が整っており「お試しいただくことで、機械の良さをご理解いただき、受注に繋がってきた」(モーサー社長)との成果を享受している。
特に、日本のものづくりの微細化、精密化の進展に合わせ、求められる工具についても小径化需要が高まってきている点は見逃せないだろうと思う。
この需要にフォルマーの機種で見れば「VHybrid260」が照応する。昨年のJIMTOFに続いて、先日の名古屋のメカトロテックでも、出展、披露された。
モーサー社長は「PCD工具需要が高まっているなか、小径で複雑な形状でもワンチャックで自由度の高い加工が行える。放電加工においても、光沢を持った仕上げ面を実現。その加工面粗さはRa0.05μm以下で、今まで達成できなかった領域である。レーザー加工機に匹敵する超高精度だ」との優れた特長を概説する。
上下垂直に配置された2本のスピンドルによって研磨と放電加工が可能な仕様で、自動化対応については、放電電極または研磨砥石をクーラントユニットとともに交換可能な8連チェンジャーや、最大160本までのシャンク工具や最大径150ミリの工具を20本自動搬送可能なオートローダーシステムもオプションで追加できるようになっている。
「メカトロテックでの来場者からの反応も上々で、来場者数も2年前の前回を上回った」そうだ。
全軸リニアドライブを搭載した「VGrind360s」は、中径~太径の超硬工具づくりをサポートしていくが「CBN工具にも適用可能で、剛性、パワーと言う点で評価が高い。リニアならではの細やかな動きも魅力になるかと思う」とモーサー社長はアピールする。
そしてレーザー加工機が、いよいよ来年の夏あたりに日本でもお目見えする予定だそうだ。
「機種名はVLaser370。工具製造に特化したレーザー加工機で、特にPCD工具やダイヤモンド工具向け。加工の選択肢として、研磨、放電にレーザーが加われば、よりいっそう、顧客に寄り添った提案が可能になってくる」。
光沢面仕上げの放電加工面粗さRa0.05μmのドリル