強み活かせるハイスへの拘り Tスロットカッタで差別化も(フクダ精工)
岩崎和人氏
- フクダ精工を訪問し、岩崎秀明社長、続けて子息の岩崎和人企画担当に面談を行った。
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- 4月決算は「身の丈に応じた内容だった」と語る岩崎社長。コロナ不況の影響も受けたようだが「損益分岐点を社員に意識してもらいつつ、対応している。粘りというのは、ハイスの特性だが、当社をサポート頂く源泉となっており、その延長線上で顧客から評価されもする、NC化が難しいハイスエンドミルの2番の刃付けは、当社の『現場力』の証でもあろうかと自負している」として、ハイスへのこだわりを見せる。
- 入社4年目を迎えている和人氏も「ハイスに特化した方がフクダ精工の強みが活かせる。オペレーターの力量の違いも反映するが、常に短納期対応を目指していきたい。たとえば、社内シェア2割を占めるTスロットカッタは、他社が投げ出してきた領域であるが、当社では千鳥刃、普通刃ともに作り慣れている。別作でも、迅速な対応は可能かと思う」と、ハイスでの差別化を意識する。
- ただ、100本~200本といった、まとまった量の受注が、ほとんどなくなってきた、とも付け加える。
- 仕がかりの総量は、操業調整を「不可避」としているようだが「数字の落ち込みは、量で補うばかりではない。むしろ生産性とスピード、言い代えれば、不良の低減、段取りの速さ、工程間の連携等の大切さを社内で訴えている」と岩崎社長は、数字の「背景」を見据えている。
- 今期は64期に入り、来期は65期。岩崎社長の「古希」との遭遇でもあるそうだ。