フクダ精工が10月に創業90周年 現状は流通介し、ハイス工具核に1000点近い標準品を提供

フクダ精工 株式会社

フクダ精工 株式会社

岩崎常務

今年の10月でフクダ精工は創業90周年を迎える。
 「昭和10年に東大阪で産声を挙げた。生産品目では、加工で工具がちびっても刃型のフォームが変わらない、いわゆる金太郎あめと言われる二番取り工具を特徴とした」「戦後はコレットの普及により、産業界に今日のストレートシャンクエンドミルを世に先駆けて生産に着手した」と3代目に当たる岩崎現社長が解説する。
 現状では、エンドミルをはじめ、ドリル、各種カッターを取り扱う。いずれもハイス工具で、10000アイテム近い標準品を、流通を介して提供している。
 また、入社8年になる岩崎社長の子息でもある岩崎和人常務は「流通各社との良好な関係を維持しながらも、ユーザーニーズの特徴を直接、把握していくため、直需による新規開拓も進めていきたいと考えている」とする一方「切削工具以外では、建機向けのトリミングダイスの扱いが増えてきており、社内シェアで4分の1を占めるまでに拡大してきている。将来にわたる、もうひとつの柱になりつつある」と補足する。
 昨年はJIMTOFに初出展を果たし、まとまった数の来場者に接して、刺激を受けたと言う。
 「ハイス工具への拘りについて質問されることが多かった。加工の中心に位置するわけではないが、大手工具メーカーのハイスからの撤退と言う流れを考慮しても、今後も、取り組んでいく意義は十分にあると思う」(岩崎常務)。
 2025年を迎えるに当たって、掲げた標語は「利他」。仏教用語で「他人の利益や幸福を願うこと」。「情けは人のためならず」と「対」になっている気もする。