前期売り上げ比18%の伸びを示すフジBC技研の「NEW KKK」。セラミックのグリーン加工でニーズに即応するダイヤコート

フジBC技研株式会社

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伊藤フジBC技研社長

切削工具とセミドライの両輪で、ものづくりの現場をサポートするフジBC技研。新たな期に入るなか、伊藤社長を訪問して、本紙でフォーカスしている「NEW KKK」エンドミルの最近の動向や2024年度全体の課題、計画等について語ってもらった。

 全体の売り上げベースでは、前期比横ばいを辿っていると言う。
 「工具、セミドライともに伸び悩んでいるのが実情だが、NEW KKK関連のエンドミルに即せば、年率で高い伸びを達成しており、前期は18%と大きく躍進。2015年春からの販売開始以来、順調に推移し、取扱商社も着実に増えてきている」。
 精度、寿命、価格、それぞれの切り口でユーザーから高評価が寄せられており、最近では、高硬度鋼向け(SUPER-HS)、といった付加価値の高いアイテムの採用実績も積み上がってきた。
 工具販売の第一線で活躍する倉本スタッフは「ハイスやダイヤコートの新たな需要を開拓している」との点を補足する。
 「たとえばセラミックの焼結前(生材)の加工、いわゆるグリーン加工でSUPER-DIAがニーズにハマってきたのも無視できない動き。今ある在庫の補充ばかりか、形状、刃形、コーティングを考慮した、将来に向けた拡充にも配慮していきたい」。
 2024年度の計画では特に「海外展開」を意識している。
 「やはり日本市場だけでは、事業の限界がある。現状では、円安も追い風であり、工具ばかりか、セミドライの分野でも、海外ネットワークを構築し、販売を強化していきたい。」。
 伊藤社長によれば、セミドライ、工具の新商材を考えており、それらを皮切りに海外輸出を本格化させていきたい考えのようだ。