樹脂加工で20年超える実績-プラスチック加工興和。スーパーG1チャック導入で ロボドリルが考えられないレベルに高精度化
土屋工場長は、MEGA(右)のような微細加工機でなくとも、スーパーG1チャックである程度までの精度に迫れると言う
- 仕事内容を社名に冠する、そのユニークな発想は「下請けにはならない」という信念とも相まって、実に興味を引く。
- 個人創業(平成7年)時代を含めると、樹脂(プラスチック)加工に向き合って20年以上が経過。特定の素材に特化したスタンスにこそ、多彩な対応力の「源泉」を見出せる気がする。
- 創業者の子息で、この道23年になる土屋正和工場長は「創業当初はゼロスタート。仕事の確保から始まったが、2、3年で軌道に乗り、以来、人と設備を充実させていくことに邁進してきた。特に創業者が刃物制作に長年従事してきたことから、その重要性を認識。樹脂加工専門の工具が少ないこともあり、10年前からは社内で刃物の製造するようになってきている」と語る。
- 独自の刃形を作り込むことによって、仕事の効率化を追求する一方、社内の技術蓄積を図っていく。
- 「たとえば、三菱製のワイヤ放電加工機MV1200で旋削用工具、牧野フライス製MG30で超硬エンドミルを内製化。もちろん、標準品の購入はあるが、特殊仕様はすべて内製化していきたいと考えている」。
- プラスチックと一口に言っても、結晶性、非結晶性と大別しながらも、その性質によって多種多様。
- 「高機能材が増えてきており、新しい素材への対応に、日々、トライアルしている。一番、注力しているのは機械設備。どのような仕事が、どの程度できるか、およそ見当をつけていただくことができるからだ」。
- 顧客数はおよそ1000社。常時、仕事が発生しているユーザーだけでも200社近くある。
- 「微細加工では精度が求められる半導体、医療分野に注力している」。 最近は、半導体分野の仕事が増えてきているが、1社に集中しないよう、配慮してもいる。
- ユキワ製スーパーG1チャックは、昨年の9月に購入した。新設備の導入時に、現状の設備とツーリングを別けたいと地元商社に相談したところ、勧めてもらったと言う。
- 「ファナック製ロボドリルに装填したところ、それまで出なかった精度が出るようになった。3年前に、碌々産業のMEGAを先行投資的に導入、特にZ軸の精度がミクロンという精緻さで、微小径の穴あけで活用している。ロボドリルはZ軸の精度で比べると厳しいが、スーパーG1チャックにより、振れ精度が抑えられMEGAでなくてもある程度まで出来る事がわかってきた。その後、庄田の大型ルーターやツガミのマシニングにもスーパーG1チャックを装填。半年も経たないうちに100本、取り揃えるまでに。BT30番の機械は、今後、すべてスーパーG1チャックに置き換えていく」という惚れこみようだ。 すべてに微細加工機を使わなくとも、スーパーG1チャックで、求められる精度を出す。プラスチック加工興和での、ひとつの回答だった。
ツーリングをスーパーG1チャックに変えて見ると、直ぐに精度向上が実感できたと担当者は語った
内製化している工具を手に取ってもらった