ツールホルダー活用し、ワークの自動交換をサポートする、ワークハンドリングツールを拡販するユキワ精工
ワークハンドリングホルダは、JIMTOFでも連日、ブース内から発信された
人手不足への対応を巡って、ツールホルダーの分野から、ユキワ精工が「ワークハンドリングホルダ」を提案、販売を展開している。
通常の工具ホルダをワーク搬送の用途としてデザインされ、工作機械内に設置されたワークストッカーから自動でワークの供給、排出を可能にする。
マシニングセンタなどの工作機械に搭載し、搭載機械のセンタースルークーラントを活用して本体に内蔵したシリンダを駆動して2爪を開閉。外径把握用と内径把握用の2タイプをラインナップし、それぞれ、ゴールド、シルバーと色分けして、ユーザーは一目見て仕様を判別できるようにしている。また、昨秋のJIMTOFで、BT30仕様に加え、BT40仕様が追加発表され、選択の幅が広がった。
2023年の「グッドデザイン賞」を受賞した製品であり「大掛かりな搬送ロボットの導入ではなく、工作機内での自動化という手段によって、低コストと省スペース・簡易な操作を実現し、中小企業への導入の敷居を下げようという着眼点とともに、無駄を廃した合理性が生み出す機能的な美しさも製品の魅力となっている」と評価された。
機能面からのメリット、特長を簡潔に記すと・・・
▼工作機械内でワークの供給・排出が自動化でき、複数個のワークを連続で加工することができる。
▼工作機械の主軸オリエンテーション機能の活用により、ワンチャッキングで多面加工の自動化が可能になる。
▼工作機械内で自動化できるため、搬送ロボット用の電力や駆動用のエア源が不要になり、省エネに貢献できる。
使用事例で、外径把握の場合として、CNC円テーブルにトラニオンジグを搭載して角材の6面加工の自動化や、同じくCNC円テーブルにスクロールチャックを搭載し長尺ワークの着脱の自動化が紹介され、内径把握では、CNC傾斜円テーブルにスクロールチャックを搭載し円筒ワークの多面加工の自動化に言及されている。
人手不足に対応して、大規模な製造現場では、搬送ロボットを活用し、自動化対応が図られているが、その設置には工作機械のほかに広いスペースが必要となるばかりか、ティーチングやシーケンスプログラムの作成、安全柵の設置など、専任の設備部門や担当者抜きには実現が難しく、中小企業にとって、そのハードルは高い。
ワークハンドリングホルダは、工作機械を扱える人が現場にいれば、誰でも手軽にワークの供給、排出を自動化することができ、夜間運転を有効に活用し、機械の稼働率を向上させることができる。SDGSという流れでも、搬送ロボット用の電力が不要となり、省エネを達成することが可能になる。