ユキワ精工が提案する、ワークハンドリングホルダによる自動化提案。中小規模の量産、小物現場がターゲット。

取材に対応いただいた小杉部長(左)と南波設計スタッフ
前号(1月・118号)で取り上げたユキワ精工のワークの自動交換をサポートする「ワークハンドリングホルダ」について、設計・開発に直接、携わった小杉営業推進部長、南波設計2グループスタッフを訪問。別の観点から改めて特長を取材し、紙面化を試みた。
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開発に取り組み始めたのは2021年からだったと言う。
「言うまでもなく、折からの人手不足への対応が背景にある。特に中小企業にとっては、深刻であり、人が介在する機会を減らし、自動化を推し進めていくことが何よりも求められていた」とのニーズを指摘しつつ「ロボットが不要なので、省エネに貢献しつつ、所有面積が軽減されると言う点でも中小企業にとっては魅力かと思う」と省スペース化の利点を付け加える。
ターゲットには「量産・小物」現場を設定した。
「ワークの着脱自体は珍しくないが、加工の作業の流れに組み込んで、量産現場で通常、導入されているマガジンにセットして活用できる点を強調したい。開発に当たって、苦慮したのは、まさにマガジンに納めるための寸法的な制約のなかで、いかにスリムで、コンパクト、かつパワーフルという要件を満たしていくかということだった」と振り返る。
通常は5面加工が限界だが、ワンチャックで6面加工まで対応できるのもメリットだろうか。掴める重量は、30番で1㌔、40番で2㌔(内径把握用)3㌔(外径把握用)だ。本体はアルミが多用され、シャンク部分は鉄製を採用している。
「爪はユーザー様の要望によって自由にカスタマイズできる。マシニングセンタが使える現場なら、そのプログラムで動かせるため、経験要らずというのも利点かと思う。使い方はツーリングと同じ要領で、(ワークの)搬送の役割を担うことになる」。
納期は30番用、40番用ともに1・5カ月から2カ月。
「昨年のJIMTOFに出展し、多くの来場者に興味を持って頂き、手応えを感じている。事前に動画を見られた方もおられ、質問も受けた」。
ワークハンドリングホルダはすでに複数のユーザーを抱えている。
「まだまだ、導入件数は限られているが、人手不足に起因する需要はなくならない。ワークの自動交換を通じて寄与していければと考えている」。
明日をつかみ、未来へ運ぶ‐このスローガンには、ワークハンドリングホルダの真骨頂が端的に表現されているだろう。
ワークハンドリングホルダの使用例