スーパーG1チャックの活用で、工具の使用量が半分になる月もあるヨコヤマ鉄工

ヨコヤマ鉄工

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取材に応じてくれた横山社長

小千谷市と言えば「鉄工の町」として知られるが、ヨコヤマ鉄工の創業は昭和35年で、地域に根を下ろし、部品加工ひと筋に62年の時を刻んできた。
 2017年、3代目となった横山社長は「私の祖父が汎用旋盤を駆使してスタートした。今では、地元企業5~6社からの、精密機械部品加工に加え、組み立て、検査も踏まえた受注が多くなってきている」と語る。
 最近の景況の推移では、2019年末からの米中貿易摩擦以降、コロナ禍の広がりのなか、2020年までは、仕事量が減少を辿ってきたが、2021年に入ると、国内外から需要が発生し顧客が忙しくなり、ヨコヤマ鉄工の受注量も拡大してきたと言う。
 「コロナ禍によるリモートの広がりによって、基板関連の需要が新たに発生し、逆に仕事が拡大してきた」分野もある。
 受注は、大きく量産モノと単品モノに分かれる。
 「量産モノは1万個オーダーと、ほぼ決まっており、翌月の量も予想できる。あと、大半が、数個までの小ロット、単品モノで占められ、加工上のポイントは、まさにこの分野の効率化を図っていくことに尽きる」。
 設備ではヤマザキマザック製を重視する。
 「プログラミングが早く行えるうえ、入力ミスも少ない。リーマンショックの頃、修行に出ていた会社で、ヤマザキマザックの旋盤、マシニングセンタに習熟していたこともあって、私の入社以降、新たに6台、既設と合わせて8台が現場で稼働している」そうだ。
 ユキワ精工のツーリングとの出会いは、仕事量拡大への対応として、昨年9月にヤマザキマザックのマシニングセンタ「VCN-430A」を導入したことがきっかけだった。
 「元々、ツーリングは他社製を使っていたが、新たに設備を導入したことで、振れのないツーリングを探した。被削材は炭素鋼がメイン。実際にスーパーG1チャックを試してみると、振れがないため、加工音が静かになり、工具の摩耗も減り、チッピングも少なくなるなど、トータルで見れば、工具寿命も伸びた。その結果、月によっては、工具の使用量が半分近くになることもある。切削条件を上げても難なく使用できる点も高評価だ」そうで「VCN-430Aは元々、剛性が高くないと言われているが、スーパーG1チャックを活用すれば、剛性の点は気にならない」ともコメントする。
 現在、スーパーG1チャックは10本、グリーンGチャックも2本活用するまでに頻度が高まっている。
 最後に横山社長は「9月決算だが、目標通りの数字が見込めると思う。年率1割程度の売り上げアップを今後も目指していきたい」と締めくくった。

オペレーターの井口さん
オペレーターの井口さん

触れのないスーパーG1チャックは、1年も経たないうちに10本に
触れのないスーパーG1チャックは、1年も経たないうちに10本に