今期は受注ベースで前期比大幅アップ達成したワルターエワーグジャパン。「日本市場の回復を予感させる動きを実感」(冨田営業部長)
小径工具にフォーカスしたヘリチェックNano販売に注力していくと語る冨田部長
ワルターエワーグジャパンを訪問し、冨田営業部長にJIMTOFでの手応えとともに今期の総括をヒアリング、紙面にまとめてみた。
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JIMTOFは全体的には13万人に迫る来場者を数えた。
冨田部長は「ワルターブース内だけの来場者数をカウントすれば、前回比4割アップという激増ぶり。うち新規が15%~20%は占めたと思う」と指摘しつつ「内容的にもJIMTOF前後でまとまった受注を獲得し、ブースでは、導入を検討するためのテストカット依頼も発生するなど、日本市場の回復を予感させる動きを実感した」と振り返る。
ビジョン、ミニパワー、ラプタ―、そしてヘリチェック。名指しされた直近の機種を概観しても、多様性を見て取れる。今期も引き続き為替環境は良くないが「受注ベースで対前年比大幅アップ」を記録し「復活」を予感させる業績を残しつつある。
「社内総括でも挙がったが、ニーズに応じた技術セミナーを定期的に開催できたことが、受注回復に繋がっていると考えている。2月にスタートし、これまでに8回実施してきた」。
特に「使いこなし」を重視した高精度加工のための熱変位補正、自動振れ補正、機内自動補正などへの習熟や簡単なトラブルシューティングへの対応といったメンテナンスを扱ったセミナーは、特に好評だったと言う。
「複雑形状に対処する方法を提案していく中で、参加者(ワルターユーザー)の理解が深まり、それがエンドユーザーへの提案に活かすことができたとの嬉しい報告も頂いた」。
さらに12月には、オンライン対応を含め、砥石や油剤、濾過機といった周辺機器メーカーとのセミナーを実施。工具研削盤のみならず、現場環境に即したコラボレーション提案が好評価に繋がった。
「セミナー開催は、弊社にとって貴重な経験となった。来期はさらにブラッシュアップさせていきたいが、オプションの充実、提案も、受注を促すキーになったかと思う。代表例がLASER・CONTOUR・CHECK(レーザー・コンツァー・チェック)で、JIMTOFでも出展機のパワーダイヤ400に搭載して、自動化、無人化サポートのツールとしてアピールした」。
接触測定を補完する非接触の測定機能を備え「接触測定中にプローブの摩耗によって、発生する可能性のある刃先の損傷や測定エラーを回避」できるばかりか「プロセス中の工具径と工具プロファイルの自動補正を実施。人が介在しなくても、良品を生み出せる、無人の連続加工に寄与していく」ことにメリットを見出せるだろう。
レーザー・コンツァー・チェックは、パワーダイヤ400ほか、ビジョン400L、マイクロ、ミニプラス等に搭載可能と言う。
「小径工具の品質保証と言う点で、拡販の対象にしているのが、HELICHECK NANO。センサー付きの工具顕微鏡を活用したモデルで、φ0・1~φ16のレンジに対応する。カメラの解像度が12メガピクセルと、従来のヘリチェックの1・5メガピクセルを遥かに凌駕するレベルで、複数のレンズを備え、目的に応じて選択可能だ」。
JIMTOFでは、担当のプロダクトマネージャーが来日。その後、日本のユーザーにも足を運んでいる。
目的とする解像度に応じてレンズの選択が可能だ