PCD工具の広がりと市場に注目‐ワルターエワーグジャパン・池田副社長

ワルターエワーグジャパン株式会社

ワルターエワーグジャパン株式会社

池田潤副社長

 

  •  工具、再研磨、自動車・部品加工、航空機、建機・・・ワルターエワーグジャパンが向き合う需要層は今では実に多種多様だ。
  •  池田潤副社長は「前期よりも、幾分かはトーンダウンしたが、それも昨年に特殊要因があったこともあり、それ以前の年と比較すれば好調。受注ベースでは、リピート顧客からのオファーを中心に、ワルター、エワーグともに高い水準にあることは間違いない。特に測定機は『標準』とのイメージが定着し、底堅い受注に繋がっている」。  ワルターのパワーとビジョン、エワーグならコンパクトライン、エバマティックリニアが注目機種に挙げられよう。
  •  「生産拠点のチェコ・クシム工場ではフル生産の状況にある。アッセンブリ―ラインを刷新して、納期短縮を図っていく考え」という稼働状況にあり、前期はワールドワイドでは中国需要の回復ほか、韓国、台湾、欧州、北米と多くの市場でニーズが高く、過去最高レベルの生産状況を現出させている。
  •  UGGとして取り組み始めた活動例を紹介すると、デジタルソリューション、いわゆるインダストリー4.0関連の顧客サポートについて欧州を皮切りにスタートすることになる。リモートサービス、サービスモニター、製品モニターの三つの分野があり、3月のグラインドテックで最新版が案内される予定だ。
  •  「ジャパンとしては、営業、アプリケーション、サービスの各分野で充実を図っていくことが継続課題となる。関東方面の拠点づくりも具体化させていきたい」と、市況の高原状態を前にして、池田副社長は、より充実した体制づくりは避けて通れない、との認識を示す。
  •  「ファンづくりの一環としては、古い機械の入れ替えキャンペーンを展開している。保守・メンテナンスの労力を一掃し、併せて最新の機械を設備頂くことで、現場の生産能力アップを狙う。測定機と研削盤とのセット提案にも注力していく」。
  •  このほか、改善提案として、オプションの選択肢の紹介を通じて、サービス業の強化にも努める。
  •  「関心事としては、PCD工具の市場が広がりを持ってきているのかどうか。例えば、当社の放電機能付きモデルやレーザー加工機の受け入れる素地が高いのかどうか。日本の製造業の強さ、ものづくりの進展への期待が我々にとっては大きい。日本が世界のマーケットシェアを高めていくことができれば、回り回って、需要が発生することになるからだ」。
  •  今期はJIMTOFが大きなイベント。UGGのグループとして20コマを確保、出展していくことになる。

 

現場では「標準」との認識が広がってきたワルター測定機

現場では「標準」との認識が広がってきたワルター測定機