高精度なピンシャフトメーカー標榜する三和クリエーションがロロマティックで結果出す
手塚社長
- センタレスグラインダーと平面研削盤を導入して、三和クリエーションは切削工具のブランクのストレート加工で創業した。1999年のことで、前期が20周年、今年の9月決算を経て21年目を迎えている。
- 手塚健一郎社長は「今も工具のブランク加工が4割を占め、メインには違いないが、光ファイバー用のピンゲージほか、リーマンショック前から金型のパンチピンやコアピンなどのパーツ類、ダイヤモンドの治具、ノズル関連と、横展開も図ってきた。さらに産業的には、自動車の噴射穴加工用のミクロピンやカテーテルなど医療系分野への対応も」と説明する。
- 創業当初は、工具のブランク精度は「5ミクロンレンジで、H6をキープする」を旨に対応してきた。
- 「最近2、3年のニーズは『工具ブランク軸の振れ精度を限りなくゼロに』。センタレスの工程ラインではL/Dで、より長い、深穴加工用では特に高精度な振れが求められるようになってきている。ロットのバラツキを抑えて、H3クラス以内」のようだ。
- 仕事の6割はリピートオーダーで、4割は生産状況が変動する、流動的な顧客で占めるが、径3ミリ以下の材料を扱うことが多い。
- 「売り上げの1割から2割は設備投資に配分している。機械商社への相談、展示会での情報収集、そして最終的にはテスト加工を行い決定していく」。
- ロロマティックとの付き合いは、2004年辺りからで、段研のハシリでもあった「148p4」が最初で、2016年にはNP5を導入。径6ミリ以下の小径工具対応や段付き工具関連で効力を発揮しているそうだ。
- 「工具ブランクを含め、偏心、楕円といった異形ピン用として導入したNP5に続いて今年2月にはNP3+が現場に。優れたれたプログラミングでワンチャック加工ができる魅力は大きい。異形ピンは医療系の大手メーカーへの対応となる。また、プレス金型分野ではレンジ3ミクロン以下の金型ピンの製作にも向いている」ようだ。
- さらに続けて手塚社長は「(NP3+は)同軸精度が高精度に仕上がり、刃長の長いもの、具体的に指摘すれば、250ミリまで対応できるのも大きな魅力。大ロットでも精度が非常に安定している」との評価を下す。
- 手塚社長以下、三和クリエーションは39人で構成する。
- 「当社の需要層が広がりを見せるなか、私は、高精度なピンシャフトメーカーを志向していきたいと考えている。2018年にはGrind Tecに出展。欧州市場へも進出したいと考えている」。
NP3+導入によって、偏心、楕円といった異形ピンの対応で差別化できるのも強みのようだ
今年2月に導入されたNP3+.精度が非常に安定していると言う