標準工具の売り上げ拡大が継続目標‐三洋工具の小野社長インタビュー
小野社長
- 超硬、PCD工具の受注生産を主体に、OEM供給のほか、HFドリルやOSドリルなどの標準工具と、多様な展開を見せる三洋工具。拠点工場である長野事業所ばかりか、マレーシアやメキシコなど海外生産拠点も、現地でしっかりと顧客を抱え、根を下ろしている。需要家の大半は自動車関連ユーザーであり「納期と単価」で常に顧客満足度を意識するなか、2017年度の目標について小野社長にヒアリングを試みた。
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- 「継続案件とも言えるが、社内シェアで15%~20%を占めるまでになったオリジナル製品をさらに伸ばしていきたいと考えている。流通ルートで販売しているHFドリルやOSドリルが市場浸透するなか、いっそうの弾みをつけていきたい」。
- 創業から54年目を迎えた。従来は大手工具メーカーへのOEM供給で実績を積み上げ、特殊工具づくりに活かしてきたが、10年以上前からは、オリジナル工具製造に注力するようになっていったという経緯がある。
- 「短納期対応を考慮して、前期は宇都宮製TGR250を導入。そして今期の後半ではPCD工具の受注拡大に向けたレーザー加工機の導入を検討している」という設備への配慮に言及する。
- 「計画達成という意味では、ピークだった2014年度以降、一貫しているものの、今期は計画数字には、何としてでも拘っていきたい。中部の需要が要になるが、その際、生き残りのキーと見る、コストパフォーマンスが発揮できるロウ付け工具の提案もしっかりとやっていきたい。付加価値が望めるからだ」。
- 海外事情に触れてみると「マレーシアは創業からもうすぐ四半世紀を迎えるなか、日系、ローカル双方の顧客を抱え、技術的指導を交えながら信頼を獲得している。メキシコは、市場としては、トランプ大統領の政策に注視しながらも、GMやクライスラー、日系メーカーへの再研業務で安定した数字が叩き出せるようになっている」そうだ。