三菱マテリアル営業本部長に金子戦略部長が就任。超硬製品は4月1日付出荷分から値上げを検討
営業本部長に就任した金子善昭氏
三菱マテリアル加工事業カンパニーの営業本部長に金子善昭氏が就任(2月15日付)、その「横顔」の紹介と合わせ、抱負を聞いてみた。
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- 世界の主要マーケットに展開された販売会社15社も責任の範囲となる。 「加工事業カンパニー全体で7000人以上が働いており、うち営業部門に属するスタッフは1100人を超える。日本はもちろん、イギリス、イタリア、ポーランド、トルコ、ロシア・・・と『多様さ』には事欠かない。今年度、業績的には、対前年度比で直需で10%以上の伸び、流通で8%以上の伸びを見込む」。
- 売り上げベースでは、国内が3分の1、海外が3分の2を占めるが、北米、アジア・中国の伸びが大きい。
- 「国内は中部エリアのシェアが高いが、需要の活発さに加え、昨年、岐阜製作所内に新設した中部テクニカルセンターの『貢献度』が高いと考えている。開設から3月末までに4000人を超える来場者を見ることになり、今後の更なる可能性を展望していきたいと考えている」。
- 金子本部長の略歴に触れると、1986年に大学を卒業後、1992年に三菱マテリアルに途中入社。販売会社で長らく営業支援・戦略の活動に従事した後、2010年にアメリカの子会社へ赴任、マーケティング部門の機能強化を担当した。
- 「5年間の勤務を経て2015年に帰国。戦略部長として、本社でマーケティング等、引き続き営業の後方支援活動にも従事していたが、営業本部長を拝命して、現場目線へと変わった。つまり今日、明日の売り上げの大切さ、日銭を稼いでいく感覚の重要性を再認識するようになっている」。
- コバルト等の値上がりによる、超硬工具製品への影響については「住友さんが先行して値上げの発表をされたが、当社も4月1日付出荷分からの値上げを検討しており、そうなると、素材比率の高い軸物系では7年ぶり、主力のインサートでは13年ぶりの改定になる」。 国内の市況には手堅いものがある。
- が、三菱マテリアルに即せば、主力のインサートは80%以上(数量ベース)が海外で占める。
- 「海外での事業は、ストレートにM&Aが有効だろう。製造のみならず、販売チャンネルもしっかりとあるからだ。これからの海外戦略は、進出日系企業+アルファだけではダメ。ずばりローカル企業への浸透が要になる」。
- その意味で金子本部長は、国別・エリア別の選択と集中をよりいっそう、重要視する‐「どこで勝つか」。
- 今後、注力していくべきエリアとして「更なる経済成長が期待でき、自動車の製造・販売でも、見落とせないMENA(中東・北アフリカ)へも積極的な展開を考えていきたい。インドやベトナム、インドネシア等のポテンシャルも高く、注力していく必要があり、選択と集中が求められる」。
- 世界の切削工具市場は、現在、1兆6千億円と言われる。2025年には、2兆4千億円という数字が飛び交う中で、三菱マテリアルが、今後、どのような成長戦略を具体化していくか、そのひとつのキーを金子本部長は握っている。