小物部品加工での進展促す取り組みに注目したい三菱マテリアル
保住リーダー(左)、江波サブリーダー(右)
- パーツマシニンググループ(PMG)発足から1年を迎えたのを機に、改めて設立の背景とこれまでの成果、今後の展望を保住リーダー、江波サブリーダーに取材した。
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- 保住リーダーは「スモールツールの販売強化を目指して、ツーリングも踏まえた技術フォローができるスタッフを集め、5人体制で昨年の9月に発足した。この分野の工具の使用量、直需ディーラーとの付き合いの程度などを勘案し、ターゲットとするユーザーを選定。後発とは言え、自動盤で使用される工具すべてを提供できるのが当社の強みであり、標準品のラインナップは、まだまだ、道半ばだが、これまで特殊対応やコーティング等で差別化し、リプレースを図ってきた」と言う。
- 顧客との信頼関係が構築されつつあるのも、この1年の成果と付け加える。
- 「ざっくりとだが、この1年で『1』→『1・4』という量的拡大を達成。今後、1年かけて発足時の2倍以上にしていきたい。トピックス的であるが、自動車の電動化に関わる電滋軟鉄という新しい被削材の加工で困っているユーザーに対し、寿命が2倍~3倍に伸びるアイテムを提案。テスト期間を要するが、地道に浸透させていきたいと考えている」。
- PMGは、小物部品加工に特化した専門部隊として、開発と常に連携しており、評価されれば、商品化されるスピードが速い。
- 「キーアカウントに掲げるユーザーを中心に、一カ月のうち2週間はユーザー訪問に費やしており、客先からは『三菱の訪問がある』との意識も芽生えつつある。我々にとっては、標準品のバリエーション追求に際し、何から揃えていけばいいのか、ヒアリングしていく場にもなっている」。
- ツーリングのノウハウを併せ持つ江波サブリーダーは「埼玉・大宮と岐阜のテクニカルセンターも活用し、成果に繋げている。顧客にとっては、長寿命化が最大のポイントになる。面取り、穴あけ、端面・外径、溝入れ、突っ切り・・・すべてで、そのニーズは高い。強みの一つとして紹介させて頂きたいのは、長寿命化と並んで、切り屑排出性能でもアドバンテージの高いステンレス加工であり、他社との差別化が明瞭になる」と言う。
- 自動盤用工具でぜひとも取り上げたいのはリーディングドリルシリーズ「DLE」だろう。センタリングと面取り加工の要求性能を追求し、特に食い付きの良さ、切れ味の良さ、高い耐欠損性を備え、径16ミリまでラインナップしている。座ぐり加工用「MFE」シリーズも見逃せない。
- 保住リーダーは「今後は、キーアカウントユーザーにプラスして、一般の自動盤ユーザーにも拡販していきたい。11月には新製品を追加投入していく。グループ10人体制を確立し、売り上げ3億円と言うのが当面の目標だ」と決意を語った。
加工事例を手にする江波サブリーダー