業務システム改善などのデジタル化が加速 営業担当にはモバイル端末を整備 三菱マテリアル加工事業カンパニー
WWX400
- コロナ感染拡大とともに今期が始まり、この半期は、まさに「ウィズコロナ」に終始したと言っていいだろう。三菱マテリアル・加工事業カンパニーはどのように対応しているか。メールを通じて質問を提出し、回答を得てまとめてみた。
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- 顧客訪問が困難になっている。
- 「だいぶ訪問可能な取引先も増えてきたが、コロナ禍を契機として顕在化したデジタル化のニーズに素早く対応すべく、業務システムを改善することで、お客様との新たな接点を増やす試みを模索している。また、営業担当にはモバイル端末を整備しつつ、リモートにおける営業のあり方の研修や顧客との新製品講習会とのセッティング等を試行錯誤しながら進めている」。
- WEBサイトでの新たな見せ方、チャットでの技術相談などの取り組みも検討中と言う。
- 「社内でもリモートに対応する営業活動を想定した研修内容を盛り込み、コロナへの対応強化の試みに手を緩めてはいない」。
- 半期を振り返って産業別の需要やニーズについて触れてもらうと「自動車産業は、一部メーカーを除き、落ち込みから現在、回復基調をたどってきている。とは言え、投資計画の一部に延期や中止などがあり、先行きは不透明」「航空機産業はコロナ禍の影響が深刻で需要は低水準、長期化しているが、難削材の高能率カッタ『ASPX』をリリースするなど新製品開発はどんどん進めている」「医療産業は他の業種に比べて落ち込み幅は少ないものの、減少している」‐のようだ。
- ソリューション提案と言う点では「自動車産業分野で、生産部品ごとにソリューション提案を行えるよう、体制を整えており、小物精密加工分野では、振動切削に対応したインサート材種『MS9025』をリリース、製品そのものの深化を問い続けてもいる」。
- 今後も増えてくるオンラインセミナー活用
- 密を避ける有効な手立てとして、無視できないのはオンラインセミナーだろう。
- 「反応が見えづらく、特定のお客様と語り合うことができないと言う難点はあるが、講師となる技術者の出張がなくなるだけでなく、受講者も移動時間を他の仕事に振り向けることができ、時間的にも経済的にも効率を追求できる。一度、行うと、アーカイブとして再利用可能となることもあり、今後も利用が増えていくものと思う」。
- 顧客ニーズ把握には訪問営業は前提ではあるものの、叶わぬ局面もある。 「ウィズコロナが当面継続し、デジタル化が加速するとの認識に立つと、リモートやモバイル端末に対応した資料やデータを入力、分析して顧客のメリットに還元していく必要性を感じている」。
- 今年は新製品のリリースが多く、春には汎用肩削りカッタWWX400シリーズを発売した。無人運転や高能率加工のトレンドに対応し、インサート最大厚み9ミリと高剛性を実現させるとともに、両面使用可能な6コーナーを持つ独自開発の「X形状」がもたらす安定加工も魅力だ。10月以降、複数の大型新製品の市場投入も相次いでいる。今期後半を意識した活動に今一度、注目していきたい。