磨きレスの追求は後工程を省略。人の再配置の可能性も視野—安田工業
超硬直彫りのサンプル例を手にする梶原部長
- メカトロテックの安田工業ブースに梶原国内営業部長を訪ね、直近の状況や展示会のアピールポイントについて取材した。
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- 金型メーカーに対し、日本で残る仕事をサポートしていく、量よりも質の点で‐との安田工業の基本スタンスを再確認する梶原国内営業部長。
- 「効率アップへの対応は、時短だけの問題に留まらない。たとえば、磨きレスの追求によって、後工程を省いていけば、職人不足、作業員不足をも補完できるばかりか、ヒトの再配置の点でも、効率化が可能になってくる」。
- 西高東低は継続
- 国内営業の点では「西高東低」が継続していると言う。
- 「ブースでも、納期について質問を受けた。機種によって一様ではないが、大まかに言えば、大型・横形では2年近く費やしていたのが1年半、立形では1年超えが以内と改善してきている。加えて、信頼関係をベースに、確度の高い商談が発生した時点で‐立形が中心となるが‐生産枠を見ながらスタートをかけ、発注ベースで見て、更なる納期の圧縮を試みてもいる」。
- ただ、設備に関して客先は総じて「慎重になっている」。
- 「とは言え、当社に即して、引き合いの状況は、4月~9月の上期は、決して悪くない。受注の決定率も低くなく、今後とも、日本で残るものづくりに寄与できれば、決して悲観するような結果にはならないと考えている」。
- ブースでは、全軸リニアモータを採用し、多様化する微細加工ニーズに対応する「YMC650」と、5軸加工で数ミクロンの繰り返し精度を誇るフラッグシップ機「YBM Vi40Ver.Ⅱ」を出展。微細加工、5軸加工へのこだわりを改めて強く感じた次第だ。
- 「また、今回、当社初のプレゼンテーションを試みた。2年前からアピールしてきた、アンバランス測定、プロファイル計測という内容を盛り込んだ。女性のMCに対する印象も良かったとの評価を頂いた」そうだ。
- アンバランス測定、プロファイル計測について、それぞれの核心を伺うと「前者は高精度形状を構築していくために、刃先の振れを低減させていくもので、後者はボールエンドミルの摩耗量を把握していくもの」との説明を受けた。
- マシンの性能だけではない、提案でも、さらに一歩、評価を高めたと言えるだろう。
安田工業のプレゼンには期待が高まった