機械内部にモニタリング機能を標準装備 安田工業の予防保全対応 2017年からマシニングセンタ全機種に
西本課長
- 予防保全の対応について、安田工業では2017年から機械内部に数十項目から成るモニタリング機能を標準で盛り込み、経年変化を「見える化」している。
- 所管する販売促進部の高橋部長は「予め設定した閾値に応じて①メッセージ②アラーム‐がモニタリング画面に表示され、オペレーターに『警告』を発する仕組み。機械のダウンタイムの一掃が目的で、故障前の対応を促すばかりか、お客様独自のモニタリング項目を追加するなど、緻密な『機械状態管理』を実践することによって、加工精度の安定、加工不良の原因分析が可能」だそうだ。
- 技術サービス課の西本課長は「モニタリング機能が主軸潤滑ユニットの不調を検知し、同ユニットの不具合を早期発見&交換によって主軸軸受けの損傷を未然に防止する事象があった。また、納入後は、保全の方との付き合いが多くなるが『見える化』によって安心感を得たことは大きかったとの感想を寄せて頂いている」とのユーザー評価の一端を語る。
- 頂いた資料の中にモニタリング項目が記されており、制御軸負荷電流、制御軸速度、制御軸モータ温度、主軸ロードメータ、主軸実回転数、クランプ/アンクランプ回数監視など、実に盛りだくさんだ。
- また、コロナの影響によって、互いの訪問が難しい場合、新たに機械を導入された客先に対しWeb操作説明が実施されている。
- 「インターネットを利用してやり取りするが、たとえば、非常停止→復旧といった操作説明となると、初めてのオペレーターだとリスクを感じてしまう。対面せずにいかにサービスを提供するか。コロナが終息しても、今後、課題になってくる」と髙橋部長と西本課長は口を揃える。
- 大手ユーザーを中心に訪問の自粛要請や相次いで展示会が中止となるなか、Web展示会開催という選択肢も検討段階に入っていると言う。
- それでは従来からのアプローチで、どのようなターゲットに照準を合わせ、需要を喚起していくか。
- 同席してもらった香川営業副本部長は「課題ともなるが、国内は、すでにお世話になっている顧客とさらに密接に繋がり、いかなるサービスを提供していくか。海外では中国で、新規に引き合いが発生してくるような活動を展開していきたい。業界的には6兆円市場をにらむ半導体製造装置業界へのアプローチやデバイスに関連する高精度金型への需要に期待している」と語る。
- 最後に技術サービス課について紹介させて頂く。
- 西本課長によると「機械の組み立て・完成後の機械の精度確認からが我々の対応となる。仕様や検査表の確認を行いつつ、立会検査を経て出荷、納入、そして試運転というプロセスを担当することになる。その意味では、お客様と最も近いセクションであり、窓口ともなるだけに、気は抜けない」そうだ。