安田工業は「高精度加工の自働化」をテーマに設定。自動芯出しサポート機能を駆使して、加工を止めずに高精度加工の継続が可能に
髙橋国内営業部長
安田工業の髙橋国内営業部長を訪ね、JIMTOFでのアピールポイントについて取材した。
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掲げるテーマは人手不足時代における「高精度加工の自働化」に設定された。
髙橋部長によると「自動化が当たり前のご時世だが、金型や小ロットの部品加工現場で、高精度加工を手がけるには、ワークをひとつずつ、機内において、平行出し、加工原点の指示、芯出しプログラムの作成等が不可避」で、作成に当たっては、加工を一度、止めなければならないが「弊社では、自動芯出しサポート機能を駆使する段取りステーションの活用で、加工を止めずに高精度加工の継続を訴えている」と言う。この機能は、マニュアルに従って作業を進めれば、特別な技能がなくとも誰にでも対応できる、まさに人手不足への有力手段となる。
ブースでの出展4機種に即した自動化を見ていこう。
まずは、ハイエンド5軸マシニングセンタの「YBM Vi50」。
「ターゲットを金型業界に向け、開発した経緯があるが、今回は、スピンドルヘッド加工を提案。サンプルも用意した」。
金型のほか、航空機部品や半導体製造装置部品といった大型ワークの高精度加工に対応するが、リリースから2年が経過するなかで、部品加工ユーザーが、パレットチェンジャーと組み合わせ、無人化で結果を出してきているそうだ。
ブースでは、エロワ社製のAWCとの連携が、自動化に向けたポイントになる。
次に指摘したいのが、5軸で工程集約をアピールする立形マシニングセンタ「PX30i」。
「販売が先行した欧米での実績が高いが、日本でも増え始め、半導体製造装置部品などの分野で浸透しつつある」。
323本にも及ぶ大容量マガジン、33面パレットプールを標準搭載する、長時間におよぶ連続加工、多数個・多品種部品生産に特化し、まさに省人化、無人化に寄与する逸品と言えるだろう。
このほか、金型から部品加工、荒から仕上げ加工までを1台でこなす3軸のベストセラー機「YBM 640V」、高精度微細加工の万能マシニングセンタ「YMC430」を出展。両機種をエロワ製AWCで連結させ、金型入れ子や電極加工の自動化を提案していく。
国内では7割が金型、3割が部品加工の顧客が占める。
「分野を問わず、仕事量が減り、難易度が上がっていく国内市場で生き残っていくには自働化は避けられない。議論を重ね、共に手を携えながら、前進していければと思う」。