航空機、工作機械向け需要が拡大。長時間の加工に耐える信頼性が重要

安田工業株式会社

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航空機セミナーはまさに満員御礼状態に

  •  装置メーカーの比重が高まってきた‐と語るのは、安田工業の梶原治国内営業部長。
  •  「一昔前は、売り上げのメインと言えば金型業界に名指しできたが、工作機械、半導体製造装置、さらに航空機といった分野からの需要が高まってきて、選定される機械も中・大型機や5軸加工機が増えてきた」との時代変化を語る。
  •  長期計画の案件も発生してきており「今がピークと捉えつつも、ポテンシャルの需要も高い」と付け加える。  「ここ4、5年のレンジで新たなニーズと指摘できるのが金型のレンズ型だろうか。医療用や車載用のカメラに複数のレンズが組み込まれ、この分野の需要を押し上げてきている。結果、リニア機、5軸加工機への『指名』を発生させてきている」。
  •  市場に機械の納入が進展していけば、アフターフォローをどうするか、という課題は避けて通れないが、販売の上でも「機械単体だけでは、時代に照応しなくなりつつあり、顧客の現場のインテグレーター的な能力が求められる」という営業面での手法も変わりつつある。
  •  さらに国内市場でも、5軸加工機+ロボットの採用が増えてきて、自動化、無人化ニーズが加速してきた。  今回の内覧会に関わる航空機分野については「難削材と向き合う航空機エンジンの加工では、機械に精度や剛性が求められるばかりか、数百時間に及ぶ加工での信頼性が重要視される」と梶原部長はコメント。相次ぐ受注で、工場では、航空機産業向けのYBM10T―100TTなど横形のマシニングセンタの製作に余念がない「風景」が印象的だった。
  •  7月5日開催された内覧会には、ユーザー、商社の代表ら100社以上、230人を超える来場者をみた。
  •  「ここ数年で見た場合、航空機関連産業からの受注がまとまって入ってきた。製作の現状を見て頂こうと、今回の内覧会を企画した」と守屋営業本部長は語る。 横形は航空機や工作機械向け、立形は金型分野  工場案内で、梶原部長は「横形は、航空機のほか、工作機械メーカー向けも多い。立形は基本的に金型メーカー向け」と説明する一方「微細加工ニーズへの対応が、当社のもうひとつの軸になっている」と指摘する。
  •  また、内覧会で報道関係者に昨年のメカトロテックで参考出展された、意匠性や質感、強度確認などについて切削加工を通じて実現する「Labonos」の〝進化版〟が披露された。
  •  「量産のための試作等に関わっている設計者を対象に、加工機をスマートフォン感覚でご活用いただければと思う。オフィスでの使用を想定している」と説明する。
  •  安田工業で、工具や材料などを組み入れたノウハウをデータ化。ユーザーはQRコードを読み取る過程で「加工ステップを踏む」システムとなる。
  •  「工具とワークを設定頂ければ、あとはQRコードを読み取って、作業は完了する」。
  •  強度や寿命試験にも対応できるそうで。今秋のリリースを予定している。
  • 「航空エンジン加工分野参入セミナー」も開催
  •  一方、内覧会では長期的な成長産業に位置付けられる航空機産業にフォーカスした「航空エンジン加工分野参入セミナー」が開催された。講師は、航空エンジン部品の試作題材などを通じて、航空エンジン分野に参入するための人材育成や組織体制確立の支援を行っている、上田晋作エヌブリッジ社長。三菱重工時代、エンジン部門の海外営業職として活躍しながら3年間、英・ロールスロイス出向の経歴も。
  •  講演では、エアバス、ボーイングそれぞれ売れ筋の機体の紹介や航空機の大きさによる分類、そして今後20年間で2倍の市場規模と予測できる航空機産業そのものを概括しつつ、参入の魅力を語った。

 

営業具術担当の高森美孔さん。女性スタッフの活躍も目立つ(インターモールド名古屋で)

営業技術担当の高森美孔さん。女性スタッフの活躍も目立つ(インターモールド名古屋で)