我が国最大級の岡本製平面研削盤「UPG708CHLi」を駆使する宏昌精機丹波篠山工場。半導体部品研削に貢献

宏昌精機株式会社

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国内最大級の平面研削盤「UPG 708 CHLi」の稼働がスタートした

大型平面研削で定評のある宏昌精機が、さらなる長尺モノへの対応として進めていた丹波篠山工場を完成させ、今夏から稼働をスタートさせた。新たに受注している仕事の概要は何か。新規導入された岡本工作機械製「UPG708CHLi」の果たす役割などと合わせ遠藤工場長に取材してみた。

 最近の10年間、仕事内容の変遷を追うと、宏昌精機では、液晶パネル関連部品から半導体分野の受注及び相談案件が増えてきた。
 「丹波篠山工場建設の直接の目的とも関わるが、3年ほど前から半導体関連の長尺モノの受注が増えてきた。従来の尼崎工場で研削できるのは6mまで。それ以上ワークが長くなれば限界となり、対応が難しく、工場の新設、拡大がその頃からテーマに挙がっていた」と言う。
 長尺化の流れでは、1m→3m→5m、そして、最新の受注では7mにまで迫ってきたと言う。
 「丹波篠山工場で新規に取り組み始めたのは、リチウムイオンバッテリー関連の仕事。ワークは機械加工済み。2本で1セットを1カ月でこなしている」。
 岡本工作機械に発注したUPG708CHLiは、テーブル可変静圧式リニアモータ駆動の超高精度機で、国内最大級の平面研削盤。加工サイズは、高さ800×幅800×長さ7000ミリの威容を誇る。
 「私の知る限りでは全国で、まだ2台目という超大型平面研削盤。顧客からの評価も高い。精度出しには、徹底した温度管理は避けられないが、UPGシリーズは3台目であり、大きさは別として、扱いには慣れている」。
 平面研削盤ばかりか、円筒研削盤もPSGシリーズなど、一貫して岡本工作機械一択。確かにメーカー習熟度は高いと言えるだろう。
 「(研削に際し)工夫する点はいろいろあるが、砥石加工では避けがたいスクラッチの発生を抑制する必要がある。時間短縮も課題であり、安定した面精度、面粗度もカギになり、砥石や研削液の選定にも配慮が要る」と遠藤工場長は語る。
 国内で残るものづくりは微細化であり、大型化である。差別化抜きには存続できない。


宏昌精機丹波篠山工場