農機関連部品加工でスーパーG1チャックを装着、切削音が静かになり、刃物寿命が1・2倍〜1・5倍になった日昇工業(広島・福山市)。昨年からグリーンG1チャックも導入。面粗度アップに貢献

日昇工業株式会社

日昇工業株式会社

取材に対応いただいた林社長

農機関連の足回りやミッション関連部品を中心に、ロストワックス部品、医療機器部品でも成果を上げている日昇工業を訪問した。
 林社長は「弊社は、私の父が友人と一緒に1974年に立ち上げた会社で、現在もメインを占める農機部品で起業した。私自身の入社は27年前、23歳の時に遡り、前職では、5年間、自動車のプレス金型製作に従事していた」と語る。
 創業以来、受注の要となる農機関連は、社内シェアで現状、8割と大半を占め、部品点数では年間、500点から800点に及ぶ。
 「1ロットでは50個から多くて1500個。傾向としてロット数は少なくなってきた。被削材は、鉄、鋳物が多く、大きさは手のひらサイズが基本」と林社長は概要を説明する。
 また、1990年代から受注スタートしたロストワックス関連は、リーマ加工を要する精度重視の製品で実績を重ね、第二の柱として成長してきた。
 現場の設備は、旋盤とマシニングセンタが中心だ。
 製造を担う岡田課長によると「旋盤はDMG森とニデックがメインで、マシニングセンタはDMG森に、比較的新しい設備ではオークマを活用している」と語りつつ「ユキワ精工のツーリングに関心を抱いたのは、取引商社から毎月配布されるこの新聞を見て、触発されたと言っていい。7、8年前にテストサンプルを提供していただき、試したのがスーパーG1チャック。オークマ、DMG森の双方の機械に装着し、従来と比較検証した」。
 ツーリングを替えただけ、その結果はどうだったか。
 「農機部品の加工では、切削音が静かになり、刃物寿命が1・2倍~1・5倍に伸びた。ロストワックス製品では、突き出しの長い加工で、その効果が実感できたが、とりわけ0~100分の5という厳しい公差の部品では、振れ精度の高さが寄与してリーマの穴精度が一発で出せるなど、加工が安定し段取り時間の短縮に繋がっている。精度のいる幅加工では、補正を入れる回数が格段に減少し、メンタル面での負担が軽減。併せて検査の頻度も減ったことで加工時間短縮にも繋がった」。
 その後、スーパーG1チャックは、ロストワックス部品の加工で使用頻度が上がり9本となり、昨年3月には農機部品加工を念頭に、グリーンG1チャックを導入した。
 「農機関連部品では面粗度が上がって、粗さ計で従来のRz6・647が6・171と面粗度アップを確認。農機の鋳物部品では、Rの加工でも音が静かになった」。
 グリーンG1チャックは、およそ1年で3本活用しており「最近ではロストワックス部品でも活かすようになっている」と言う。
 メーカーへの要望として林社長、岡田課長は「用途に応じた対応を検討していくためにも、スーパーG1チャックレベルの精度を発揮できるミーリングタイプも、提供いただけるとありがたい」と結んだ。


リーマの穴精度が一発で出る、と触れ精度の良さをアピールする岡田製造課長


加工音が静かになり、面素祖度が向上した農機のハンドル部分