訴求力高める銅電極加工用エンドミルシリーズ

日進工具株式会社

日進工具株式会社

小泉営業部長

 

  •  日進工具の小泉営業部長を訪問した。
  •  「2018年度を総括すると、金型分野は秋口までは『低調』で、以降、特に年末からは海外からの仕事の『戻り』が発生し、現状では、顧客は7月辺りまでは仕事を抱えるようになってきた。これにはIoTやHV車など活発な動きのある中で、センサーや小型化する機構部品の要求が強いこともあるのでは」と言う。
  •  欠品や納期遅れが工具業界で支配的となっているが「東日本大震災後のリスク対応で、1~2カ月の在庫を確保、取引代理店様にもしっかりと在庫して頂き、当社では、欠品の発生は基本的にはない。また、納期の面でも、ご迷惑はかけていない」。
  •  PCD工具のトライアルキットは、実施から丸2年になる。ユーザーがPCD工具を使って鏡面仕上げにトライした内容を吟味し、詳細なレポートにアドバイスを添えて、回答するという試みだ。
  •  「当社が狙う、鏡面仕上げへの関心の喚起ばかりか、最近では、工作機械や周辺機器の状況チェックにも、使われ始めている。温度管理等も含め、トータルな諸条件が整っていないと鏡面仕上げは達成できない。その意味で、現場検証のキットの役割を担うようになってきた」との展開に繋がってきたことは興味を引く。
  •  売り上げは、過去最高レベルをキープしている。
  •  国内は比較的「堅調」に推移しているものの「25%のシェアを占める海外で重要な位置を占める中国が昨年10月から下降局面に入っている」点には、特に注視していく、と言う。
  •  自動車関連で日進工具のシェアが大きい分野のひとつが燃料電池部門だ。
  •  「燃料電池は、流路が細かく、しかも、精度を要する。大手自動車メーカーから『指定工具』扱いとなっており、シェアの高さに直結している。オリンピック需要も発生しており、今後は、さらにエコキュートなど燃料電池を搭載する他の分野での伸びも期待している」。 目前に迫っているインターモールド東京では、ヒット商品として成長している銅電極加工用エンドミルシリーズの訴求に注力する。
  •  「難削材である、微細な銅タングステンの切削加工は、すぐに工具が摩耗してしまい、寿命が持たない。現在のボールタイプで実証済だが、従来の8倍の寿命を達成した。ニッチな世界ながらも、従来工具と次々と置き換えられ、そのニーズは徐々に強まりつつある」。
  •  また、来年早々のタイミングになるが、日進工具では、1月29日と30日の2日間、パシフィコ横浜でプライベートショーを開催する。
  •  「工作機械メーカーやツーリングメーカー、CAD/CAMメーカー等とのタイアップりで、精密・微細切削加工を網羅する展示会にできるよう努めていく。出展メーカーも決まりつつある」。
  •  「つくる」の先をつくる‐その仕掛けが楽しみだ。