4月、6月のインターモールドでは、新製品の具体化検討へ-日進工具・小泉営業部長。「小径ニーズ」加速を予想
小泉営業部長
- 今期の日進工具の躍進にフォーカスしたとき、「従来以上に自動車のウエートが高くなってきている」ことが挙げられると言う。
- 小泉営業部長は「自動車が牽引した1年となった。指摘されているように『自動車の巨大スマホ化』によってネットワークに接続、センサーほか、多様な電子機器類が搭載され、その流れは近未来ともなった自動運転にも継承され、更なる加速が予測されてくる。精度の高い部品の構成比率が高まれば、当社の工具の活用が更なる高まりを見せると予測する」。
- 一般的な切削加工の、量を展望するパワートレイン系ではない需要にこそ、日進工具の活躍のフィールドがある。
- 「小径市場は着実に増えている。もちろん、大手で対応できない訳ではない。が、『主戦場』として、向き合っているのは当社ぐらいだろう。ニッチトップの戦略を継続させつつ、その領域をいっそう、拡大させていきたい」と小泉部長は語る。
- 話は少し変わるが、ニッチトップ戦略と言えば、昨年、他界した後藤会長に思いを馳せない訳にはいかない。
- 「大手ができない訳じゃない。大手ではやりづらい『小径に特化』した、経営資源の集中を選択した」(後藤会長)との姿勢は、後藤弘治社長のリーダーシップのもと昨年9月には東証1部上場を果たし、企業価値を意識し、信用頂いてブランドを世界に販売していくスタイルを形式的にも確立。「グローバルニッチトップ」として、「つくる」の先をつくる、として進化が止むことはない。
- 「切削工具業界全体では、納期遅れや欠品対応が取り沙汰されているが、当社では東日本大震災の教訓を生かし、在庫をしっかりと確保し、代理店のご協力を仰いでいるおかげで、納期、欠品で、ご迷惑はかけていない。むしろ、他社の欠品に対応している面が出てきている」そうだ。
- 日進工具は材種的には超硬が大部分を占めるが、CBN工具は「良さがわかっているユーザーサイドでは利益を出して」おり、PCD工具は「焼き入れ鋼の鏡面加工」で成果を上げている。
- 「CОRE LINEとして、CBN、PCDのハイスペックバージョンもラインナップ。高硬度材の長時間加工やナノレベルの仕上げ面の実現といった領域でサポートしている」。
- 顧客の動きはいいと言う。全国、押しなべて外注探しに躍起になっているそうだ。
- 「今年4月、6月の各インターモールド展では、新商品を具体化し、来場者に提案できるようにしていきたい。ユーザーとの二人三脚こそが、前進の源泉になるからだ」
- 小泉部長は、そう、締めくくった。