「CBN工具拡販さらに。その流れでPCD工具も」
小泉営業部長
- 日進工具が俎上に上ってくる場合のキーワードと言えば、「鏡面」「磨きレス・ネス」「シングルナノ」・・・。いずれもダイレクトに精度に関わってくる、超仕上げの世界だ。
- 磨きレスというトレンドの中から発生してきた「鏡面」ニーズだが、研削から切削へのリプレース、その加速が期待される中、日進工具は、鏡面性を高めていく必要のある、レンズ金型や導光板金型などの市場性に注目している。
- 「小さくて寸法のコントロールの難しい世界だが、需要は高く、今後も伸びが期待できる分野。特に導光板関連は、この間、繁忙を極めており、トータルな市場性についても、超硬の直彫りよりも大きいと捉えている」と小泉営業部長は言う。
- 鏡面→透明度の要求、しかも、より大きな被削材への対応も可能とした、昨年4月リリースの、バージョンアップされたPCD(RB)工具は「海外、特に韓国、台湾、中国(ローカル)からの反応が早かった。欧州では、樹脂金型関連で、『磨きネス』の需要を捉え浸透している」。
- 国内でも、テストカット依頼が継続しており、「摩耗レス」のPCD工具を使って「シングルナノ」の世界を見据えているユーザーを深耕している。
- 「100時間以上、刃持ちする。シングルナノの世界は、ニッチではあるが、ボリュームの出てくる分野も見出すことができる。工具のみならず、工作機械ほか、関連分野とのシナジー追求は、その意味でも、今後とも継続していきたい」。
- ユーザー間でも、PCD工具のみならず、トータルな生産財の使い方を熟知していかなければ結果の出せない領域に違いない。
- 「当社のエンドユーザーは、結果的に『電子部品の形をとる』ケースが多いが、最近では、車載系の分野が多くなってきたように思う。そのひとつは、センサー類の需要であり、自動運転がいよいよ加速してくれば、桁違いのボリュームが発生してくると読んでいる」。
- 2016年度も高い水準で日進工具は推移している。
- 「昨年、稼働スタートした新工場もフル稼働状態にある。来期は、CBN工具のさらなる拡販を通じて、その後工程向けのPCD工具も増やしていきたい」と小泉部長は締めくくった。