菱高精機製EPSIRON2号機導入から、わずか一カ月でドリルの生産性が2倍アップ。次代の再研磨を展望するウンノ研磨工業所茨城工場
美濃部統括工場長
- ドリル、エンドミルの再研磨をメインに手がけるウンノ研磨工業所茨城工場を訪問した。
- 渡辺社長は「会長の生家でもある、この土地に移転し、新工場が5月から稼働スタートした。コロナ禍による受注の減少は否めないが、従来よりも20%以上の生産性向上を目指し、新たな仕事を取り込んでいきたい」と意気込む。月によって、当然、手がける再研本数にバラツキがあるものの、月間8000本以上と言うのが目標のようだ。
- 渡辺社長の言う生産性向上-そのカギを握る、要の設備と言えるのが、お盆明けに導入した菱高精機製工具研削盤「EPSILON」だ。
- 「従来、当社は、汎用設備を駆使した再研磨に特長を見出していたが、汎用技術の継承とは別に、NC機の活用とその効用に、ひとつの活路を見出していこうとの考えも次第に芽生えてくるようになった」と言う。
- 納期や精度的に厳しい仕事があると、NC機を設備している現場に回ってしまう、との苦い経験もあったようだ。
- 今回のEPSILONは2号機となり、ものづくり補助金の採択を経て、現場に据えられた。1号機は6年前に導入され、すでに茨城工場では実績が伴っていた。
- 「現在、会長である吽野が、山形の同業者でもあるマイスターさんにお邪魔した際、女性オペレーターが、EPSILONを操作していることに感銘を受け、設備したのが1号機。省スペースで初心者にも操作がしやすく10mm以下のドリル中心に対応しているが、エンドミルの刃付けなどもできることから、新たに仕事の受注にも繋がった経緯がある」そうだ。
- 美濃部統括工場長は「EPSILON2号機の増設、導入からわずか一カ月の間で生産性が2倍にアップした。1号機がハイス対応、2号機が超硬対応と使い分け、効率を追求した結果が、全体の納期改善に繋がった点は大きい」と語る。 EPSILONのオペレーターを務める勝山さんは「操作は数値を入力していくだけ。同じ仕様で、本数があれば『連続』というボタンを押していくだけで対応できる。2号機導入に合わせ、1号機のバージョンアップが図られ、センタードルルなどの『種目』も追加された。生産性が向上したのも、1号機だけでは、ハイスと超硬で砥石の付け替えが発生し、時間のロスに繋がっていた、この点が解消されたことが大きい」と語る。
- また、計測することの重要性も鑑み、画像測定器の「JUST-SCOPE―RX」が同時導入されている。
- EPSILON2台で月産1000本から1260本をこなす。本数ベースではハイス、超硬ともに半々だそうだ。
- 「東京本社から依頼される仕事とは別に、茨城工場では、周辺の特定の顧客にルート配送しており、気に入って頂ければ、新たにお客様を紹介され、新規受注する機会に活かしてきた。2台のEPSILONを活かしていくためにも、今後はこの点をもっと重視し、業容の拡大につなげていきたい」。
EPSILONが2台となり、効率的な生産に拍車がかかった
茨城工場のメンバー(右端が渡辺社長)
品質保証にも配慮し、画像測定器-「JUST SCOPE-RX」も同時導入