アルミの外周加工で威力を発揮するスーパーG1チャック。
生産性は最大で25%アップ
納期短縮、精度向上図る岡野製作所(兵庫・川西市)
NC機は直接、岡野社長が駆使する
昭和44年創業の岡野製作所は、手仕事から自動化へのステップを踏む平成17年、岡野現社長入社とともに新たな扉が開かれた。
「従来は創業者の父が汎用機を駆使して仕事をさせて頂いていたが、納期短縮、品質、精度の向上を目的にオークマ製mB-56VBを導入。オペレーターは私を前提としていた」そうだ。
岡野社長は、それまで静岡でものづくりの企業に勤めていたが、マシニングセンタの操作経験はなく、ISOの取得に関わる業務や圧延ロール機器、印刷機械といった産業機械の修理、メンテナンスを手掛けていた。
「マシニングセンタ習熟には、機械のメンテナンスを手掛けていたことが大いに役立った。メインの仕事となっている、アルミ鋳物の骨組みの加工で、汎用機で2週間かかっていたのが、mB-56VBなら1週間で対応可能となり、ろ過機といった、新規の受注にも繋がっていった」。
令和元年には、ものづくり補助金を活用し、ワークの大型化への対応を目的に、同じくオークマ製のmB-66VBを導入。これによって、ワークサイズに応じた、割り振りが可能になった。
「このmB-66VBの導入に際して、新たなツーリングの検討に入った。商社による展示会に出向いて、興味を惹いたのがユキワ精工のスーパーG1チャック。早速、テストカット用を提供していただき、弊社の仕事量で4割を占めるアルミ鋳物の外周加工に適用した」。
φ40ミリのエンドミル加工で、突き出し量が120ミリ。
「従来から使っている他社製のツーリングでは、コーナーRまで加工が進んだ時点でビビリと振動が発生してしまうことから、予め送りと回転を落として加工していたが、スーパーG1チャックの活用で、送りと回転が共に上げられるようになり、即、最大で25%の生産性アップに繋がった」。
振れがないことも大きなメリットで「精度向上」に直結したばかりか「負荷が低減されたため、タップが折れにくくなった。破損タップは後処理が面倒なので、助かっている」との副産物も。
スーパーG1チャックは主にアルミ鋳物の外周加工で威力を発揮し、径違いで10本導入されているが、他に「スーパーG1チャック Advance」やドリル用の「ニュードリルミルチャック」も20本導入され、穴明け加工でも頼れる存在となっている。
いろんなタイプのユキワ精工製ツーリングが収納されている
50番主軸に搭載されているスーパーG1チャック