高付加価値製品、自社製品の確立追求にシフトする東栄技工(福島・南相馬市)
選んだツーリングはユキワ精工スーパーG1チャック「工具寿命が15%~20%伸長」
刃物の長寿命化など、スーパーG1チャックの効用を語る佐藤主任
東栄技工は今年で創業から50周年という節目を迎えている。
製造課の安藤主事は「創業者は佐藤現会長で、投影機に関連する交換レンズの仕事に従事していた。アルミの精密部品加工で独立を果たし、以来、弊社は、納期と品質に配慮しつつ、カメラの鏡筒部品をメインに手掛けてきた」との、特徴を交えた経緯を説明しながら「受託分野であるカメラ業界は、携帯電話の普及に伴い、競合関係に入り、量的縮小を辿るようになっていく。特にその傾向は3年前から顕著となり、例えて言えば1ロット1万個から2千個~3千個と言うレベルにまで落ち込んできた」との現状を語る。
受託量では、現在、1ロット9千個レベルのスペーサー関連が最も多いが、交換レンズの需要低迷の煽りを受け、東栄技工では「付加価値の高い部品加工」「自社製品の追求と確立」を模索し始めた。
昨年6月末には受注し始めた「付加価値の高い部品加工」の本格化に備えて、ブラザー工業のスピーディオ2台を追加導入し、その際、ツーリングはスーパーG1チャックを選定、装着したと言う。
「機械設備では従来からパレットチェンジャー付きを含むスピーディオを活用し、時間短縮を図っていたが、改めてブラザー工業のスタッフの方から『今後とも、アフターフォローにも力を割いていくので(追加導入を)是非、ご検討を!』とのアピールを受け、ユキワ精工さんは、取引のある商社の方からの推薦で、決定した」そうだ。
ユキワ精工製スーパーG1チャックについては、特に上司からの指示もあり「まずは試してみよう」でスピーディオに搭載しスタート。
オペレーターの佐藤主任は「(付加価値の高い部品の)テスト加工では、切削スピードを上げたが、面粗度、寸法精度ともに向上したばかりか、刃物の倒れもなく、不良率の低減にも貢献。加工に時間を要していた場合でも有効に使える」ばかりか「突き出しの長い場合でもビビらず、工具寿命の点で15%~20%は伸長した」という幾多のメリットについて言及してくれた。
「最近では、小ロットの鏡筒部品についても、時間短縮のメリットを追求するためにスーパーG1チャックの活用を図っている」そうで「総数ではおよそ30本はある」。
ユキワ精工という括りでは、最近、インデックスも導入するようになっており「補正がやり易いうえ、モータのため、バックラッシュがない利点に感謝している」と佐藤主任は語った。
高付加価値製品追求のツールとしても活躍する