工具専用機部品で実績上げる大誠工機(新潟県・長岡市)
テスト加工でユキワ精工製スーパーG1チャックを装着、工具寿命が2倍〜3倍に

有限会社 大誠工機

有限会社 大誠工機

取材に対応いただいた大関社長(右)と阿部工場長

汎用旋盤のスピンドルやギア関連の仕事に従事しつつ、個人創業で生業を立てていた大関社長は、工作機械のNC化への新たな対応を模索するため、1988年に、法人化に踏み切った。
 「NC化の流れによってテーパ加工が増えてきて、スピンドルの構造も複雑になり、形状精度の難易度も上がってきた」との要求精度の高まりに触れつつ「同時に受注量も増えてくるなか、設備投資や増員が避けられなくなった」との法人化の背景に言及する。
 基本的に工作機械の部品加工を軸に事業を展開してきたが、この間、半導体関連の仕事にも関わってきた。
 「長年にわたる工作機械部品の実績評価にも関わる、ご縁の賜物でもあるが、今では9割までが切削工具専用機の部品加工で占めるようになっている。被削材は鉄が7割で、残りはステンレスやアルミで占めている」。
 1ロットは4個、5個程度だが、種類が多く「数百種類以上に上る」世界と向き合う。
 「図面点数で表現すれば、月に3000枚。部品点数に置き換えると6000点はある。昨年も良かったが、今年は更に上回り、特に4月以降、仕事量が拡大してきており、協力工場への外注依存度が高まってきた」影響もあって「弊社としては、品質保証に力を入れ、検査部門の強化体制構築に努めているところだ」。
 設備については、操作性の良さ=段取り時間御短縮を評価して、15年前くらいから、ヤマザキマザックにシフト。立形マシニングセンタ5台、5軸加工機2台、複合機2台、そして旋盤2台を設備している。
 「工具専用機用部品は、小ロットで、点数も多いことから自動化の難しさを実感している」なかで「2年前から船舶に関わる部品加工にも関わるようになってきた。量産モノへの対応もあり、今後、期待していきたい分野だ」と言う。
 ユキワ精工との出会いは、商社を通じて、今年の4月にテスト加工を行ったことに端を発する。
 「荒~中止上げのエンドミル加工で、推奨条件に基づき、スーパーG1チャックを立形マシニングセンタに装着し、試したところ、加工音が静かになり、ビビリの発生がなくなり、面粗度も向上した」ばかりか「工具寿命が2倍~3倍と驚異的に伸びた」と言う。
 その後、グリーンG1チャックも補充し、ユキワ精工のツーリングは総計3本に。
 「現場の声を聴きつつも、加工結果が端的に語っているように、今後、ツーリングと言えば、ユキワ精工を基準に考えていきたい」と大関社長、阿部工場長は口を揃えた。