荒取りのラフィング加工で発生していたビビりをスーパーG1チャックが解決。工具寿命も2倍に

株式会社 Nテック

株式会社 Nテック

取材に応じてくれた竹村さん(右)と丸田さん

2006年、塚間工場稼働と同時にNテックの切削加工部門がスタートを切った。
 営業を担う竹村さんは「別言すれば、塚間工場は切削加工に特化した現場として稼働開始した。現状の受注内容は、一般産業機械の部品が多く、材質は鉄がメインで、あとはステンレス、アルミ、樹脂など。大きさは手のひらサイズが基本で、ロット数は1個、2個の世界だ」との概要を語る。
 取引企業は意外にも長野県外の比率が高く、富山、愛知などからも受注。会社数では、およそ20社を数える。
 「今後は、半導体関連の仕事を取り込んでいける体制を構築したいと考え、被削材としてはアルミ加工シフトを想定し、昨年4月にファナックのロボドリルを導入。ところが、従来の40番のマシニングセンタとの比較にもなるが、荒取りでのラフィング加工でビビってしまい、送りや回転を3割程度は落とさざるを得なくなった」と言う。
 いろいろと検討する中で、と製造リーダーの丸田さんは「あるユーザーさんのYouTubeでブラザー工業の30番のスピーディオを活用し、ミーリングチャックとユキワ精工のコレットチャックの比較動画が目に留まり、カタログを取り寄せたのがスーパーG1チャックとの出会うきっかけとなった」と語る。
 今年の9月にテスト用に手配してもらったスーパーG1をロボドリルに装着し、40番と同じ条件でトライした。
 「不思議に思えるほど、結果は、まったくビビらない。快削音しか響かない。切削条件を落とさずに済んだことで、加工時間は3割短縮。穴位置も±100分の1以内に収まる。荒取りのラフィング加工は、頻度の高い加工だけに、この工程での改善は、現場全体に影響する」と丸田リーダーはスーパーG1チャックの果たす役割に諸手を上げる。
 その後、スーパーG1チャックを追加購入し、本格的に活用を開始。
 「まだ、2カ月ほどだが、1ロット80個の加工で、工具の摩耗が減少し、ラフィングの工具交換回数が4本から2本に。すなわち工具寿命が2倍になった」との新たな改善事例を得ることになった。
 「半導体関連部品のみならず、今後は、多品種小ロットのアルミ材やSUSの加工が増えてくる予想。30番にフォーカスして設備投資を考えているが、スーパーG1チャックがある以上、次の機械選定も安心して30番を選べる。まさか、ツーリングでここまでの成果を得られるとは嬉しい誤算だった」と竹村さんと丸田さんは顔をほころばせた。


スーパーG1チャックの活用でビビリなし、刃物寿命が2倍に