集中クーラントが稼働、既存工場の生産能力向上にも寄与(イワタツール)「トグロンハードの更なる浸透目指す」 CBN工具、PCD工具の新製品化追求へ

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

集中管理棟内部

 

  •  「2019年度の工具を取り巻く市況環境は調整局面に入るのかどうか。現時点では、伸びは期待できないが、落ち込むとも思えない」とイワタツールの岩田社長は、今年度をそう、展望する。同社に即せば、供給能力アップが、即、売り上げ増に結び付く環境下は継続するとの見方もできようか。
  •  2018年度は、牧野フライス精機やロロマティックといった工具研削盤の設備増強に加え、クーラントを一括対応する集中クーラント棟を完成、今年から稼働させた。
  •  「新たな空間を確保できたことによって、既存工場の再レイアウトが可能となり、結果的に生産能力アップにも繋がっている。製品で見ればトグロンハードの更なる浸透を目指したい。その過程で改善、改良を促していきたい。人手不足を反映した、生産性アップへの期待の高まりは、GPドリルに視線を集めており、『速くて』『安定している』という評価を頂いている」。
  •  このほか、面取り工具のトグロンチャンファーも拡販注力製品に挙がった。「速い」をキーワードに掲げている。
  •  一方、新製品に関しては「目の前の生産に追われ、なかなか、手が付けられなかったCBN工具、PCD工具を具体化させていきたい」と言う。今後は、工具種の横展開にも目が離せない。
  •  ところで、イワタツールの製品ラインナップでΦ6ミリ以下が数量ベースで70%を占めるまでになっているそうだ。
  •  「国内は、増産のための投資は一巡したものの、次のステップのための投資は継続させていく。ようやくここに来て、短納期化への道筋がついてきたように思う」。 シャンクの高精度化に向け日進機械のセンタレス導入、稼働
  •  次なるステップのための投資の一例になるが、日進機械製作所のセンタレス研削盤を導入、このほど、稼働させた。
  •  「シャンクの高精度化を図る目的で導入した。H4まで狙える極めて高精度なセンタレスグラインダー。Φ2ミリ~6ミリまで対応し、バラツキは1ミクロン未満に収まる。この値が工具の基準にもなる」そうだ。
  •  1時間に300本までの検査が行える測定機能も付けられている。 タイ新工場は「年内完成へ」
  •  海外で気になるタイの新工場の進捗では「年内には完成の運び」のようだ。1階から5階で構成し、1階から3階までが生産スペース、4、5階は管理部門等を配置していく計画だ。
  •  「今後の、主要な展示会出展では、6月にスイスで時計加工に関連するEPHJ、タイでのインターモールドが控えている。9月の独・EMOショー、10月の名古屋・メカトロテックも、きっちりと、押さえていきたい」。

 

シャンクの高精度化追求に日進機械のセンタレス研削盤が導入された。1時間300本の検査ができる測定機能もつけられている

シャンクの高精度化追求に日進機械のセンタレス研削盤が導入された。1時間300本の検査ができる測定機能もつけられている

 

岩田社長

岩田社長