サイズ拡張が必要になってきたトグロンハードシリーズ、イワタツール
岩田社長の精力的な取り組みには、いつも、ハッとするものがある
- 先行発注の調整局面に入っているのか‐岩田社長は、受注ベースで減少を辿る最近の傾向について、そう、コメントする。
- 「注残は解消しつつあり、生産性アップが順調に進んでいけば、来年早々にはキャッチアップする見通しも立てられるようになってきたほか、新製品の開発にも着手できる」。
- 今年から集中クーラント棟が稼働し、工場が静かになり、「音」を気にする必要のある開発の試行錯誤にも寄与していることも岩田社長は、付け加えた。
- 売り上げでは、SPセンターがベースに違いないが、伸び率では金型関連を中心に浸透しているトグロンハードが断トツで、そして「シャープ」。トグロンシリーズはサイズ拡張が必要になってきたと言う。
- 「トグロンハードは、欧州向け、国内向けの比率が同じくらい。イワタツールヨーロッパでは、代理店による技術サポートで、客先に出向いて現場の機械を使ってテスト加工を実施。即、採用への道筋がとてもリアルで、わかりやすく、ユーザーも納得して頂ける。基本的に金型加工にフォーカスして展開しており、欧州でもハードの反応がいい」。
- 6月にはスイスで、時計に代表される精密加工業を対象とした展示会「EPHJ」に出展。中部経済産業局ほか、民間企業とも連携し、3回目を数えるそうだ。
- 目線をタイに移すと、新工場の建設状況に関心が高まる。
- 「来春稼働予定で進んでいる。タイオリジナルの工具生産も視野に入れており、生産能力で見れば、現有の3倍に引き上げることが可能。一部、日本で手がけていた工程も、すべてタイで行える体制を確立させる。現地の需要への対応強化は必要不可欠だからだ」。
- 本数では海外生産が増えてきたが、品種は違えど、日本と同等の品質の良いものを徹底して作り込んでいく‐岩田社長の士気は高い。
- 再び日本本社に話題を変えると「今年度からIotを駆使した遠隔管理が可能になった。リアルタイムで稼働状況も把握できる。また、生産性を上げていくためのデータ自動取得に向けたシステム構築への体制が整った」。
- 設備関連ではワルター機の年内導入が挙げられたが、5月から本格稼働した日進機械のセンタレス研削盤によってシャンクの精度が上がり「製品の振れ精度」がアップ、「静圧軸受けの素晴らしさ」によって、面がきれいで製品寿命の安定にも貢献している。
- メカトロテックでは、主催者企画の「ロボットで現場が変わる」の中の「ロボット切削で広がる可能性」に協力出展。ロボット向けに開発した工具と組み合わせて複数素材の切削加工を披露していく。要注目だ。