即納体制確立で先行発注緩和へ‐イワタツール。新製品「ドリルミル」は従来のヘリカル加工に比べ、スピードは7倍

株式会社イワタツール

株式会社イワタツール

ドリルミルの魅力を訴える岩田社長

イワタツールの岩田社長を、出展していたタイメタレックス・ファクトリーマックスブースに訪ね、日本本社の生産体制と新製品「ドリルミル」の現状を中心にヒアリング、紙面化を試みた。

 即納体制が整いつつある現状に呼応して、流通の在庫調整が進むとともに発注が手控えられるようになってきたと言う。
 岩田社長は「弊社が提供させて頂いている工具は、代替品がない場合が多いため、先行発注される場合がほとんどだったが、この間の即納を実感いただくなかで、11月辺りからようやく(先行発注が)落ち着き始めてきた」との、即納による受注を取り巻く環境変化を指摘しつつ「(流通在庫のみではなく)自社在庫も増やす方針を採るようになった」ことも、発注が抑えられるようになった要因に挙げられた。
 さて、新製品の「ドリルミル」だが、現状はどうか。
 「おかげさまで高評価を頂いている。とは言え、受注にはもう少し、時間を要すると思う。ドリルミルの採用は、リプレースに留まらない。図抜けた性能によって、加工プログラムの変更が前提となるからだ」との特長を踏まえつつ「リリース以来、加工効率50%以上というアピールには期待が高まっており、当初の考えにあった、マシニングセンタの高速化でも活かされてくるだろう」と期待する。
 従来のヘリカル加工に比べ、7倍ものスピードを備え、敬遠されがちだった量産現場でも活用できるメリットばかりか「ヘリカル加工の特性でもある、1本のドリルミルで複数の径の加工ができる魅力もある」(岩田社長)。
 JIMTOFでは、薄板加工をロボットと組み合わせて、ヘリカル加工の実演を行い 「ドリルミルを薄板加工用に最適化したラフィングタイプも披露させて頂き、低抵抗切削加工を体感してもらった。正式なリリースは来年を計画し、シリーズ化を視野に入れている」。
 ドリルミルは現状、アルミ加工用でφ2ミリ~φ16ミリまでをラインナップし、鉄、ステンレス用の追加とφ1ミリ~φ20ミリまでサイズ拡大を予定。
 「ヘリカル加工で穴あけと言うのは、一般的ではないため、JIMTOFでは、加工条件計算アプリをリリースし、使い方をご理解いただくことにも腐心した」。
 ブースでは、ドリルミルの形状を模したサンプルと加工ワーク、をセットにした「専用バッグ」が用意されていた。
 「第一線で活躍している日本のディーラーさんの営業マンの方を意識して準備した。当面だが、専用バッグは100個用意している」。
 エンドミルによる穴明け加工が市場にどこまで受け入れられていくのか。今後とも期待したい。


拡販用のバッグには、ドリルミルの形状を模したサンプルと加工ワークがセットされている


第一線営業マン向けに100セット準備していると言う


JIMTOFでは、ものづくり太郎ともコラボレーションを図った