着実に伸びるトグロンシリーズ。社内比率20%突破。なかでもシャープが急伸。
岩田昌尚社長(機械要素展・名古屋)
- 4月半ばに開催された機械要素展(名古屋)のブースで岩田昌尚イワタツール社長に面談、現況と合わせ、新たな取り組みを取材した。
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- 受注残への対応を巡って、設備導入の観点から、イワタツールは3月末までに牧野製「AGE30」、ロロマティック製「629XW」、ワルター製「ヘリパワーダイヤ」など工具研削盤を相次いで現場に据え付けた。
- 岩田社長は「この間、『現場力』を向上させながら、生産性をアップさせてきているが、受注が一向に減る気配がない。新たに手当てした導入効果は、これからになるが、少しでも、解消に努めていきたい」との、注残解消へのひとつの道筋を提示する。が、戦略性との関連では、トグロンハードなどの付加価値製品の販売強化が挙げられるだろう。
- 「おかげさまでトグロンシリーズは、社内構成比率で20%を超えてきた。伸び率では、北関東、東北エリアが大きい。また、製品別で『急伸』と言えるのが、トグロンシャープであり、切削加工専門の大口ユーザー間で、アルミ加工のみならず、ステンレス加工にも適用されるようになってきたことが寄与している。アルミ加工を謳った当社の予測とは、違う需要に火が付いた事例としても、興味深い」。
- 岩田社長からは、他に、面取り工具のトグロンマルチチャンファー、超硬のSPセンターも「よく動く商材」に数えられた。 市場で、工作機械の長納期化の影響による「加工スピードを上げて、生産総数を上げていきたい」ニーズが工具に向かって発生していることは興味を引く。
- 「新しい機械据え付けまでの『代替』とも言える需要を創出させている」のだ。
- イワタツールは、前期も過去最高の売り上げを記録した。更新し続けていることは言うまでもない。
- 中国、タイについては「日本の仕事もこなしていたが、基本的にはローカル需要に対応する『自己完結型』を目指したい。日本本社では、開発に重きを置いて進めていく」ことが基本になる。 今秋のIMTS(米・シカゴショー)への初参加が決定した。
- 「初の申し込みだった。一度はスルーされるかと思ったが、運良く出展が認められた。アメリカ市場ではすでに引き合いが発生しており、今後の対応含めた場として活用していきたい」。
- そして、国内のJIMTОF。
- 「SPセンターの新バージョンが大手ユーザーの間で流れており、実績が積み上がってくる中で、新たなラインアップを提示していきたい。航空機関連メーカーと協力しながら形になりつつあるエンドミルも、期待していただければと思う。JIMTОFでは、出展製品のアピールもあるが、今後、注力すべき分野と捉える半導体分野向けを含め、優先商品化していくリサーチの場としても活用していきたい」と岩田社長は結んだ。