今年度は、航空機、重電、風力の3分野に期待するオーエム製作所

株式会社オーエム製作所

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RT‐915の実演加工に見入る来場者

  •  オーエム製作所の水田営業本部長を訪問し、2020年度の課題や深耕すべき産業を中心に、前年度の状況をも織り込んで紙面化した。

 

 

  •  前年度下期の売り上げが8・7%減で推移するなか、2020年度を迎えた。
  •  「前期下期については、経済環境の厳しさが影響して、上期に続いて下降局面を描いていたが、中国ほか海外が10月から12月にかけて上昇。特に旺盛な需要に支えられ、受注が積み上がってきた中国は、計画以上に期待感をもって臨んだが、コロナウイルスの影響が顕在化、深刻化するなかで、受注、売り上げともに足止めを食らった形となった」。
  •  「全体的に見れば国内は航空機分野からの着実な需要と、重電、風力発電分野からの下支えに助けられたが、その他の業界は低迷した。米国も重要分野であるオイルガス関連が低迷し、引き合いの頼みだった航空機業界も、機体メーカーの経営環境悪化の影響を受け、足踏みをし始めている」そうだ。

 

  •  では、2020年度については、どのような営業アプローチを想定しているのか。
  •  「国内は航空機、重電、風力(軸受け)発電の3分野は期待が持てると見ている。特に火力発電絡みは、水素を絡めたガスタービンの登場によって新たな需要が発生し、受注にも繋がり始めた。航空機分野は、増産と更新の双方から需要が発生してくると見ている。但し、新型コロナウィルスの影響による需要減退がどこまで影響を及ぼすかが大きな懸念事項になってきている」。
  •  生産と言う切り口では、12月までは、長岡工場はフル稼働が継続している。
  •  「したがって、現在の受注活動では来年の1月~3月を照準に置いている。上位機種であるVTLexへの反応が一番高いが、Neoシリーズも好感され、ニーズは多様だ」そうだ。
  •  国内営業スタッフは30余人を数える。
  •  「この数年間で、比率の上で若いスタッフが増えてきた。景気下降局面に追い打ちをかけるコロナウイルスの感染拡大、それらの影響により更なる需要減退が懸念される。そんな中で、若いスタッフに対し、提案営業を実践していくうえで必要なスキルを、社内勉強会を通して教育していき、次代の営業基盤の構築を図る。また、サービス・フォロー強化も同様に拡充が課題に挙がってきた」。

 

  •  最後になるが、新製品の「RT‐915」がリリースされ1年が経過した。
  •  「播磨のテクニカルセンターに常設していることもあり、反応は上々で、検討中だったお客様からも、確度の高い引合から受注へと繋がっていく可能性が高まってきた。リピーターばかりか、新規顧客からの引き合いも順調に推移している」。
  •  RT‐915に対する評価のポイントのひとつは「機械への接近性」で「主軸構造によるものだが、足場から850ミリと、機材を用いなくともワークのセッティングが可能」。
  •  ものづくり補助金の対象機種でもある。

 

昨年7月に実施された長岡工場内覧会では、RT‐915は、ユーザー、販売商社から好感される場となった

昨年7月に実施された長岡工場内覧会では、RT‐915は、ユーザー、販売商社から好感される場となった