今期の狙うべき需要は5G関連の基地局・発電機はじめ、重電、風力発電関連。 海外では中国の風力発電需要が活発

株式会社オーエム製作所

株式会社オーエム製作所

佐脇社長

  •  新年度を迎え、オーエム製作所は、どのような取り組みを始動させるのか、佐脇社長を訪問し、ヒアリングを試みた。

 

 

  •  「東日本大震災の時は、原子力関連の需要が消失し、代わりに航空機需要が牽引したが、2020年度は、人の移動の制限を受け、当社に即せば、航空機のエンジン需要が減速した」と佐脇社長は振り返りつつ「2022年度までの2年間は我慢するしかないと思う。忙しくて着手できなかったことに取り組む一方、顧客満足度アップとともに、利益追求の手立てとして、サービス部門の強化に取り組んでいく」との方針を語った。
  •  レトロフィット含めた古い機械のメンテナンス、新たなサポート体制の充実に向けた教育と人材投入が計画されているほか「西日本、東日本それぞれにサービスを主体とする営業スタッフを配置し、直接、売り上げに寄与していけるようにしたい」との考えもある。
  •  昨秋には加工技術の伴うソリューション、コストダウンなど、いくつかのプロジェクトチームを発足させた。横中ぐり盤、平面研削盤といった設備投資も積極的に展開し、データ取りや、オーエム製作所独自の工場管理システム、オータムを稼働させ「オンラインで加工状況の見える化を提案していく」試みも。
  •  「今期、航空機需要の減少をカバーし、狙うべき需要としては、5G関連の基地局・発電機関連のほか、重電や風力発電関連を挙げている。事業再構築の補助金に絡む案件もあろうかと思う」。
  •  海外に目を向ければ、やはり、需要の要は中国市場のようだ。
  •  「市場が活発に動いており、特に風力発電絡みでは、毎週、違うユーザーの名前が挙がってくる。現地スタッフで、引き合い、受注への『刈り取り』作業を進めている」。
  •  商談では台湾メーカと競うことになるそうだが「価格面では厳しい」一面が。だが「口コミで、オーエムを評価いただけるユーザーの存在は、心の支えともなる」。
  •  総じて、現下の状況は、佐脇社長の感覚では「リーマンショック以上」の景況と言い「人の移動の制限の経済に与える影響は、とてつもなく大きいことを実感する」。
  •  冒頭、航空機需要については2年間の我慢、と言及した佐脇社長だが「航空機需要の復活を見込んで、工場を建設されたユーザーもおられ、このタイミングで設備の老朽化更新を考慮されている。ニーズを汲み取り、細やかな提案ができるよう、取り組んでいきたい」。
  •  需要が冷え込んでいるが、需要がないのではない。チャンスはあるだろう。