小型機「RT-915M」を出展するオーエム製作所。在庫販売をアピールする初の試み
2025年度から長岡工場が増産体制へ

株式会社オーエム製作所

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上田営業本部長

オーエム製作所の上田営業本部長を訪ね、上半期の業績推移とメカトロテックを含む、今後の戦略的な営業方針について取材した。

 オーエム製作所の国内外比率は現在、7対3と言う。
 「この2年間、中国では風力発電関連特需が牽引してきたが、減速から調整局面に転換、受注の上で減少を余儀なくされている」と語る一方「国内はガスタービン関連が堅調に推移し、今後も、カーボンニュートラルを踏まえた混合燃料の適用に向け、石炭火力から新たなガスタービンへの置き換えが見込めるなど、フォローの風が吹くと予想している」とエネルギー需要の動向に言及する。
 上半期は、この中国特需の落ち込みがあったものの、受注ベースでは前年同期比1割減にとどまった。
 「弊社の柱である航空機分野は、2025年から立ち上がってくると言われ、機体としては小型機から中・大型クラスを意識した設備投資に入っていくものと予想。現在、国内のエネルギー分野、半導体や自動装置関連といった産業機械分野、さらに特需と言える造船分野それぞれが、航空機分野の落ち込みを補完しているなか、弊社浮揚のカギをまさに航空機分野が握ることになる」。
 メカトロテックでは、小型機の「RT-915M」を出展する。
 「テーブル径が1mクラス。弊社としては小型部品加工向けだが、出展に当たってのアピールポイントが在庫販売の試み。弊社製品を扱っていないディーラーへの訴求に努めていく」との戦略を打ち出し「即納から納期3カ月を目安に取り組んでいく計画で、現在、月2台ペースで仕込んでいる」と言う。
 オーエム製作所の納期は長い、との観念を払拭していく、これまでになかった取り組みとして注目されるに違いない。
 「もちろん、在庫販売に当たって、長岡工場での生産体制強化が課題に挙がっており、目標として、2025年度から増産体制をスタートさせていく」。
 また、出展するRT-915Mの特長について、上田営業本部長は「ワークの搬入に際して、クレーンを使わずワークをセットする現場が増えてきた。高齢化が進む現況を踏まえると、作業性の向上が避けて通れない状況にあり、RT-915では、テーブル上面と床面の差を縮め、作業台に登り降りすることなくワークをセットできるようにしている」と作業性の向上を指摘する。
 テーブル径1メートル以下の立旋盤では類を見ない角ラム(180×180ミリ)タイプによる圧倒的な剛性の高さ、ミーリングスピンドルを備え、穴加工が可能となり、段取り替えを減らしたことも付記したい。

百年残る、仕事をしよう!
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