オーエム製作所が兵庫・播磨地方にサービスセンター創設。機械二台常設、試削りなどの対応でファン拡大目指す。

株式会社オーエム製作所

株式会社オーエム製作所

佐脇社長

 

  •  近年でも珍しいくらい、この2月、3月は高生産をこなした‐と語るのは、立旋盤専業メーカー、オーエム製作所の佐脇祐二社長だ。  「前下期は過去最高レベルに近い。『仕込み』を先行して対処できたことが功を奏したと言えるが、市況の活況さを実感できたことは何よりも喜ばしい」とホッとひと息つく。
  •  昨秋から超繁忙に突入。納期対応に苦慮している面は、他社同様だが、産業別でみた場合、国内外ともに航空機産業からの需要が大きく寄与している。関連する素材メーカーからのニーズも高いようだ。
  •  「特にアメリカは、基本的に航空機産業からの受注がメイン。 主要エンジンメーカー及び協力工場からのオファーが多い」と言う。  市場の更なる深耕と言う点でも、やはりアメリカ、そして中国が課題に挙がった。
  •  「国内が堅調に推移している間に、アメリカや中国をはじめとする海外で『儲かる、儲けていく』仕組みを作っていきたい」と語りながら「10月に開催されるIMTS(シカゴショー)で、現地ディーラーとのミーティングを密に行い、拡販のタイミングを共有していく。『ターニング』は当社のブランディングのポイントになる。試削り対応も必要だろう」「中国市場は、納期が攻め込んでいくうえでの要になる。限定された領域だが、射出成型機、エレベータという分野は、日欧への需要が高く、丁寧なアプローチを心がけていきたいと考えている」。
  •  今後を見据えた、新製品開発の動向については「小型で対応可能な分野」に照準を合わせて開発が進められているそうだ。
  •  「ATC仕様で、テーブル径915mmクラスを念頭に置いている。航空機部品から一般産業機械部品までを視野に入れ、小型で対応できる分野への進出を考えていきたい」。
  •  今、オーエム製作所のターニングは、7000台あまりが稼働しているが、兵庫・播磨地方は、1割強に及ぶ、およそ800台納入したエリアとして特筆できる。
  •  「播磨地方に今年の9月にサービスセンターが完成、10月から運営がスタートする。機械2台を常設し、試削り対応含め、サービスを強化していく。当初は、社内の教育訓練も兼ねて5,6人程度のスタッフで切り盛りしていく計画だ」そうだ。
  •  訓練は、実践を伴うがゆえに、やがて本物になる、との思いが佐脇社長にはある。
  •  長納期化という現局面は、もちろん、将来的には、人の確保、スタッフの教育、いい職場環境づくり・・・働き方をどのように改革していくか。企業が進化していくうえでの要諦であろう。