ゼロバリドリルの最前線「SXV3D‐OH」。速さ、寿命ともに改良、改善加え、量産加工にも対応 ギケンのアピールポイントとして「人手不足対応の訴求ポイントにも」

株式会社ギケン

株式会社ギケン

取材に応じて頂いた石川専務

 ドリル=バリ発生が当たり前という「常識」を覆す活動を、全国津々浦々で展開するギケン。本紙では先日、名古屋で開催されたメカトロテックでアテンドしていた石川貴雄専務を訪問し、ゼロバリドリルの最前線を取材した。

「速さ、寿命ともに改善を加え、多品種小ロットはもちろん、量産加工にも適した新モデルとして、リリースしているのが『SXV3D‐OH』。鋼、SUSをはじめ、Ti、耐熱合金といった難削材にも対応できることから、他社からのリプレースも進んできた」と石川専務は、新製品の手応えについて言及する。
特に加工スピードは、自社従来品比でも、約17秒/穴から約2・7秒/穴と、圧倒的な加工時間短縮に成功。切りくず排出性も、一段と向上し、無人運転時のリスク軽減に繋がるメリットも大きいだろう。

バリ取りと言えば、どうしても、人が介在するイメージが付きまとう。
「人手不足の折、ゼロバリドリルの訴求ポイントにもなっている。メカトロテックでも感じたが、バリに対する認知度が上がってきて、ゼロバリドリルへの関心の高まりを実感する一方、他社にも同様の工具があると思うが、どう違うか?といった質問も請けるようになってきた」。
角のない滑らかな曲線の刃形状、最適化された溝形状、独自のシンニングの採用・・・によって、欠損の防止や抜け際のバリ抑制、切れ味と切粉排出性の向上、スムースな食付きなどを実現している。
「当社では、現場の様々な課題を直接、お聞きし、最適な提案ができるよう、営業体制の強化に取り組んでいるところで、バリ発生の改善はもちろん、加工精度向上、工数削減などの御相談をお受けできればと思う」。