新工場稼働を軌道に乗せ、利益率回復へ
「環境に配慮した高付加価値製品で勝負」
蓼沼ケミック社長訪問
最新鋭の設備が導入されているケミック新工場
ケミックの今年度最大のニュースと言えば、新本社・工場の和歌山・橋本市への移転、稼働に尽きるだろう。創立55周年を記す、一大イベントとも捉えられる。
「10月から生産効率の更なる追求を目指して、新たなスタートを切った。原料の、想定以上の高騰に苦しんでおり、利益の出しづらい体質に陥っている現状を何とか打破できるようにしていきたい」。
とは言え、新工場稼働が軌道に乗ってくるまでには、時間を要するのも確かだろう。蓼沼社長の予想では年内いっぱいは要すると見る。
「市況とは別に、切削油を取り巻く環境が、年々、厳しくなってきていることも無視できない。開発製品にも、その影響が出てくるようになってきている。環境面への配慮を十二分に踏まえ、従来にないマーケティング活動を展開して、新製品開発に繋げていきたい」。
では、このような状況下で、来年の展望をどのように描いていくのか。
「幸い、売り上げだけを見れば、今後も上昇傾向をたどっていくと思う。需要そのものは堅調だからだ。しかしながら、自動車部品メーカーを中心とした、競争他社との『低価格製品競争』は限界にきており、これからは、高付加価値製品に絞って勝負していくことが肝要だと判断している」。
ケミックの2023年は誰にとっても慌ただしく過ぎ去ったかも知れない。生産体制が早期に軌道に乗っていくことを期待している。