PCD工具づくりの標準化目指すコイズミツール(横浜市都筑区)。ロロマティック製レーザスマート日本初導入へ

株式会社コイズミツール

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昨年、導入されたDMG森精機のレーザーテック。PCD工具づくりでレーザーによる新たな取り組みが始まった

  •  横浜本社工場はじめ、群馬、中国・広州でPCD工具中心に100%の特殊工具づくりに驀進するコイズミツールを訪問した。

 

  •  小泉社長は「特殊品のメリットとしては、乱売の少なさが挙げられるが、ロット数は1本、2本。従来からの自動車関連向けを中心にしつつ、効率の追求も考慮し、早い段階で、得意とするPCD工具で標準化していく方針を掲げた」そうだ。
  •  昨年11月にはDMG森精機のレーザーテックを横浜本社工場に導入し「レーザーによるPCD工具づくり」にトライ。今期はものづくり補助金の申請が通り、レーザー加工機第二弾として、ロロマティックのレーザースマートを7月に、同じく横浜本社工場に据え付ける。因みにレーザースマート日本導入はコイズミツールが初となるようだ。
  •  「導入してみないことには、長所、短所さえわからないと言うのが本音。レーザーテックは、チップブレーカの製作、そのトライアルを経ながら形にしている段階ながらも、試作依頼を受けるなかで、従来、できなかったPCD工具づくりにチャレンジしている」そうだ。
  •  中国・広州の工場では、ワルター製ヘリパワーが導入され、再研磨ばかりか、新作も手がけるようになった。因みにワルターはトータルで五台目となり着実な成長が伺える。
  •  「超硬のドリル、リーマ。特に総型のリーマ等特殊工具で期待に沿えるようにしていきたい」と言う。
  •  日本企業のメキシコ進出、その立ち上げをサポートしている4年目を迎えたメキシコは「現時点では、商社機能に限定されるが、現地は、一時のような集中が若干、緩和しているものの、縮小よりも拡大が続いている。ラインの立ち上げが多く、日系企業ばかりか、GMやフォードなどのアメリカ系自動車関連部品メーカーの生産状況は忙しさが増している。私自身のメキシコ訪問回数は昨年で10回に及んでいる」と小泉社長。
  •  商売に繋げつつ、リサーチといった活動で、昨年のメキシコ関連の売り上げは5000万円に到達した。
  •  日本、中国、そしてメキシコ合わせておよそ売り上げは10億円。ここ3年間は、微増で推移している。特殊工具のみで年商10億円を叩き出す企業について、筆者はあまり知らない。PCD工具の標準化に目が離せない。