ミーリング工具の売りは高送り、1刃当たり最大3ミリーコメートグループ

株式会社コメートグループ

株式会社コメートグループ

春原社長

 

  •  1月~5月までの成果と今後を報告する「FC1」のタイミングで春原社長を訪問した。

 

  •  「販売の8割を占めるマシニングセンタ用U軸システムは計画通りに推移しているほか、この2年間でゼロからスタートしたスタンダードツールが社内シェア15%にまで上昇、計画の上方修正を行ったばかりだ」だそうだ。
  •  同グループの工具関連では、従来はTAドリルが主体だったが、2015年からミーリングツール全般の拡販を全世界でスタートさせている。同社のミーリング工具のひとつの特長に挙げられるのが「一刃当たり最大3ミリの送り」という高送りを可能とする「Q56」。ユーザー間での要チェック事項となるだろう。
  •  「日本市場では、電力用のタービンブレード加工で新規参入を試み、採用に漕ぎつけたのを機に、その横展開に弾みがついてきた。中でも動きがいいのは丸駒チップを採用している『Q55』というカッタだ。また、昨年末から動き出した建機関連分野では、その鋳物加工用で『hi・aeQ』というカッタで高評価を得られるようになってきている」。 流通ではチップ購入でカッタボディーサービスのキャンペーン展開中  また、機工流通への深耕を目標に、5月からキャンペーンを展開する試みも。対象カッタのチップポケット数×10個のインサートチップの購入で、カッタボディーをサービスするという、手法を採っている。9月末までを期間に設定しているそうだ。 他社にない「加工工程のモニタリング」システムアピールも  他社にない製品のアピールという点で注目したいのは、話題のインダストリー4.0関連とも言える「刃先に近いところで加工工程をモニタリングし、生産性を向上させる」ツールスコープという、工具メーカー初の試みがある。
  •  「マシニングセンタにツールスコープを取り付け、工具による加工工程を学習させ管理・最適化するシステム。モニタリングの結果から、何がどのように悪いのか把握し、工具を最適な状況で使用することができる。これにより工具寿命の最適化と不良ワークの削減を実現し、生産性の向上とトータルコストダウンが可能」なシステムだそうだ。
  •  「直需対応としては、アジア地域会議でも取り上げられたコメートの強みに関する議論を参考にしている。あるエリアでの成功事例になるが、ブレーキキャリパーに対するソリューションでは群を抜いている。日本でも生かさない手はない。実績のあるダイハートのリーマも、直需の掘り起こしという意味で戦力になると考えている」。

 

  •  JIMTOFを通じて以降、引き合いは増えてきた。しかも、全国から集客できた点は極めて重要と、春原社長は考えるが「今後にどう繋げるかは模索中。今期は売り上げでは132%を目標に据えた。日本でどのように拡販していくか、自身では勝負の年、との認識で臨みたい」。
  •  今秋、名古屋で開催されるメカトロテックに出展を予定。一大需要地でのアピールをどのように展開していくか、この展示会も目が離せない。